
出入国の制限もほとんどなくなり、海外の行き来が解禁された今、再び宿泊施設のニーズが高まってきています。中でも民泊はオリンピックを機に始めやすくなったこともあり、今後運営を始めようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし残念ながら、民泊運営によって出てくる問題も多数存在し、メディアでよく取り上げられるのが「ゴミ」の問題です。今回は民泊のゴミ処理について、注意しておくべき点について解説していきます。
民泊で出たゴミは集積所に捨てられない?
民泊の運営を開始する際、多くの準備が必要となります。その中でも忘れてはいけないのが「ゴミ」についての理解です。この部分をしっかり把握していないと、知らない間に違法行為をしてしまう可能性もあります。ここからは知っておくべきことを詳しく解説していきます。
民泊のゴミは事業系ゴミに分類される
まず、民泊の利用者によって出るゴミは、事業系ゴミとして分類されます。ゴミの種類は2つとされていて、一般の家庭から出るものを「家庭系廃棄物」、会社やお店などの事業活動に伴うものは「事業系廃棄物(=事業系ゴミ)」と決められています。
民泊で出るゴミは、生活の中で出るゴミであるため、家庭系廃棄物として考えらえてしまいがちです。しかし、民泊の運営自体は事業としてみなされるため、民泊でのゴミは後者であるとされています。これらを誤って家庭系ゴミの集積所に捨ててしまうと、違法となってしまい、事業者に罰則が科せられるので注意してください。
ゴミの種類
ゴミの種類は、「家庭系廃棄物」と「事業系廃棄物」の二つに分けることができます。家庭系廃棄物は、我々の知っている通り、住んでいる地域によって細かい分別方法が決められているものです。 一方、事業系廃棄物は、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」という二つに分類されています。何がどれに該当するかは法令によって決められているので、それに沿ってゴミを分別するようにしてください。
また、この一般廃棄物と産業廃棄物を一緒に捨ててしまうこともまた違法行為となります。知らず知らずのうちに違法行為を繰り返してしまう可能性も考えられるため、清掃に係わる人々の間でしっかり把握しておき、慎重にゴミ捨てを行うようにしましょう。
事業系廃棄物の処理方法
事業系廃棄物はいったい、どのような処理方法をたどることになるのでしょうか。それをきちんと理解すれば、正しく処理を行うことができ、その過程で問題が起きることもありません。トラブルなく運営するためにも、以下の3つの処理方法を理解し、処理しやすい方法を検討しましょう。
許可業者に委託する
まず、許可業者に委託するという方法があります。許可を得ていることが確認できる業者を探し、その業者と処理委託契約を結ぶことで契約が成立します。業者に依頼をする際に、区や市が許可をした処理業者である必要があるので、その点は注意をしなければなりません。
もし、許可を得ていない業者と契約を結んでしまうと、法律上違法となり、5年以下の懲役か一千万円以下の罰金、またはその両方が科せられる場合もあります。専門家に委託することで不安も解消され、安心して運営ができますが、業者選びは慎重に行うようにしましょう。
事業系有料ゴミ処理券を貼って集積所に出す
ゴミの量が多くない場合は、事業系有料ゴミ処理券を貼ることで収集が可能になります。定められた区、または市でのみ可能であるため、注意が必要ですが、「家庭ゴミの収集に支障がない範囲」で許可されることが多いようです。家庭ゴミと同じ場所に捨てるため、可燃ゴミ、不燃ゴミなど、資源の分別は家庭ゴミにならう形になります。
事業系有料ゴミ処理券というシールは、該当する区や市のコンビニや酒屋、文房具屋など多くの場所で購入可能なため、手に入れやすいでしょう。ゴミの量が多くなく、家庭ゴミ同様の分別をしっかり行える環境であれば、この回収方法が一番便利かもしれません。
自分で清掃工場等へ搬入する
ゴミ処理の一つには自分で清掃工場へ持っていくという方法もあります。ただ、自身で行う場合も可能かどうかを事前に確認しておかなければなりません。ゴミを清掃工場へもっていく場合、区や市のホームページで事前に登録をしてください。それぞれの区や市ごとに決められている規則に沿って行うことになります。
八王子を例に挙げると、まず自己搬入をするにあたっての説明書を読み、その後申請書を書きます。申請書を作成した後、登録する車検所の写しとともにメールで送付することになっています。ここで許可が出れば、自己搬入が可能です。メールが難しい場合は、FAXや郵送、対面でも受け付けてもらえるようなので、やりやすいやり方で申請を進めることができるでしょう。
民泊を運営時のゴミ処理の注意点
最初にお伝えしたように、ゴミ処理に関してはちょっとした間違いが、大きな問題につながってしまう可能性があります。それを防ぐために、運営側がその方法を把握しておくのはもちろんですが、利用者や関係者にも目を向けておく必要があるでしょう。できるだけトラブルにならないための対策を少し確認しておくことをおすすめします。
ゴミの捨て方について室内に記載しておく
できることの一つとして、利用者にゴミについて知ってもらうという方法があります。民泊は受付等がないため、説明が行き届きにくいと言えます。しかし、室内に記載をすれば、利用者がゴミの捨て方についてより注意できる環境ができるのです。
その民泊で気を付けてほしいことをリストにして、室内に掲示しましょう。目に留まりやすい場所に記載があれば、利用者にゴミの捨て方を意識してもらうことができます。見てもらう回数を増やすことで、より徹底してルール化することができ、利用者の間違った捨て方をすることが少なくなると考えられます。
また、実際に利用者が外国人である場合、こちらが説明したルールをしっかり理解できていないというケースがありますが、それらを防ぐことも可能です。
委託業者が許可を持っているか確認する
ゴミ処理を業者に頼む場合、その委託業者が許可を持っているか必ず確認するようにしましょう。また、許可があるかどうかだけではなく、どの許可を持っているかにも注意が必要です。事業系廃棄物の中には、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」がありますが、回収をする業者はそれぞれ該当するほうの許可書を持っていなければなりません。
ゴミの処理と同様、委託する業者を間違えてしまった場合は違法行為となってしまいます。委託された業者側はもちろん、排出者である運営側も責任を問われてしまうので、このような事態は避けるようにしましょう。
また、「適切な廃棄物処理がなされるように、必要な措置、体制がとられている」という旨を区、または市に届け出る必要があるので、その際に十分確認を行ってください。
民泊のゴミを家庭ゴミとして出したらどうなる?
ゴミを誤って家庭ゴミとして捨ててしまうと、多くの場合犯罪となります。実際これまでに、「廃棄物処理法違反(不法投棄)」の疑いで検察に書類送検された事例も多く、その取り締まりも年々厳しくなってきています。しかし、環境省によって発表された「産業廃棄物の不法投棄等の状況」によると、令和3年だけでも100件を超える不法投棄が報告されており、事業者の不注意がまだまだ続いていると言えるでしょう。
この廃棄物処理法違反というのは、旅館業法を違反したことよりも重大な犯罪で、罰金または懲役が科される可能性も高いです。また、それが見つかった場合、今後運営を続けることも難しくなるため、一回一回のゴミ捨てを面倒に思わず、しっかり決められた場所に捨てましょう。
まとめ
ゴミ処理には様々な種類、処理方法があり、最初は難しく感じてしまうかもしれません。しかし、その中の一つでも間違ってしまうと、すべて犯罪になってしまいます。民泊は新法の制定によって、今まで以上に始めやすくなったこともあり、軽い気持ちで運営を開始する人も増えています。
しかし、そういった人ほどゴミ処理に目がいかず、知らず知らずのうちに違法行為をしてしまうのです。意外と複雑なゴミ処理ですが、必要なことを知っておけば、適切な方法もわかり、安心して運営を続けることができるでしょう。空き家を活用して利益を上げるためにも、ゴミ処理までしっかり気を遣うようにしてください。
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