民泊新法の届け先はどこ?届出の行い方や注意点を詳しく解説!

民泊新法
民泊新法の届け先はどこ?届出の行い方や注意点を詳しく解説!

コロナウイルスの影響による入国制限もようやく緩和され、今後ますます訪日外国人が増えることが予想されています。観光客が増えるとおのずと宿泊業も盛んになるため、これを機に民泊を開業しようとお考えの方もいるのではないでしょうか。

実は現在、オリンピック開催に伴って制定された「民泊新法」によって、以前よりも民泊が開業しやすい状況だと言えます。今回は、その新法民泊の届け先についてや、それにともなった運営の仕方について解説していこうと思います。

民泊新法の届け先はどこ?

民泊新法とは2018年に制定された許可法で、旅館業法や特別民泊よりも少ない手続きで民泊の開業が可能です。この3つの方法では、申請方法や必要書類が違うだけでなく、届けを出す場所も異なってきます。ここでは各運営法の届け先を比較し、それぞれ違う部分を説明していきます。

旅館業

旅館業として民泊を始める場合、届け先は施設のある都道府県の保健所です。必要書類を保健所の窓口に提出し、旅館業法のルールにそって運営が可能かどうかが判断されます。

旅館業民泊には、年間営業日数に制限なく運営することができ、高い利益率が見込めるという利点がありますが、その分申請時に施設に関する様々な証明書が必要になります。施設に関する書類から、衛生面の検査証など必要なものはさまざまですが、不備がないようしっかり把握しておきましょう。

特区民泊

特区民泊では、都道府県への認定申請が必要です。また、旅館業法では保健所だったのに対し、特区民泊は該当する自治体に申請をしなければなりません。

必要書類を窓口に提出し、認定を許可してもらえれば民泊の運営が可能になります。しかしこの特区民泊は、可能な区域が限られているため、民泊の場所がその区域に含まれているかどうかを確認する必要があります。東京は大田区のみ、他には大阪府、福岡県北九州市、新潟県新潟市、千葉県千葉市となっているので、注意してください。

新法民泊

新法民泊は唯一オンライン申請が可能な申請方法で、原則オンラインで申請をするよう指示されています。しかし書面での申請が禁止されているわけではなく、書類で申請したい場合は都道府県の窓口への届け出が必要となっています。

この民泊新法は、他の物よりも手続きが簡単であることで知られていて、基準を満たしていることを証明する書類を提出すれば、運営ができてしまいます。そのため、複雑な手続きなしで民泊を始めたい方におすすめしたい運営方法です。

民泊の届出の行い方

新法民泊の登場により、以前に比べて開業のハードルが下がったと言われています。しかし簡単になったとはいえ、いざ開業するとなると何からすればいいか迷うことがほとんどでしょう。ここでは民泊運営を始める際に必要なポイントをご紹介していきます。

届出を行うタイミング

まず、民泊を運営する際は、必ず民泊開業前に届出をしなければなりません。許可が下りるまでの時間が民泊の種類によって異なっているので、余裕を持った申請が必要です。旅館業は各都道府県がそれぞれ開業の2週間〜1か月前に提出するよう定めていることが多く、開業日から逆算して提出するようにしてください。

特区民泊も旅館業同様です。例えば、大阪の規則では申請後、許可が下りるまでの処理期間は2週間と定められているので注意しましょう。

一方、新しくできた民泊新法では運営開始日の前日までに届出を行えば問題ないとされています。申請を許可するという工程がないため、より申請が簡単です。

届出を行う方法

どのスタイルで運営するにしても、まずは一度自治体の旅館業担当窓口に相談に行くようにしましょう。事前に窓口で開業に必要な書類や手続き方法などを聞いておくと、あとの作業がよりスムーズに行うことができます。そのあと、民泊を運営できる物件であるかどうかを確認し、その後必要書類の準備を始めていきます。また民泊は、個人の状況だけでなく近隣住民への配慮も欠かせないので注意してください。

提出書類がすべて揃ったらそれぞれの届け先に提出し、申請手数料を納付します。旅館業、特区民泊は直接提出するか郵送での申請ができますが、新法民泊はオンラインでも申請可能です。書類審査で許可が下りれば認定書を受け取ることができ、民泊が開始できるようになります。

届出書類

実際に届出に必要になる書類は、各運営方法で大きく異なります。運営スタイルが変わると民泊を運営するうえでの制限などが変わってくるため、それに応じた書類が必要になるのです。

しかし、必要書類で共通しているものもいくつかあり、事業元や事業主に関する証明書、施設の図面、消防法に適合しているという通知書等は、どの申請にも必要とされています。どれも種類が多く入手できる場所もそれぞれ違うため、時間は少しかかってしまいますが、運営の準備をする上でおのずと完成してくる書類もあるので、落ち着いて申請準備をすすめましょう。

民泊の届出で必要になる書類一覧

ここでは旅館業、特区民泊、新法民泊にそれぞれ必要な書類をご紹介します。書類を集める作業は、民泊を始める上で一番大変であり、この工程で不備があると民泊の運営開始時期にも影響が出てしまいます。スムーズに一度で完了するよう事前準備を行いましょう。

旅館業に必要な書類

旅館業に必要な書類は、厚生労働省の国家戦略特別区域法に記載されている計9つです。しかし、地域や施設によってはほかの書類が必要な可能性もあるため、ご自身でも一度ご確認ください。各地域で必要書類一覧を用意してあるところもあるので、ぜひ活用しましょう。

登記事項証明書(法人の場合)
住民票の写し(個人の場合)
申請時に必要
周辺状況の見取り図指定された範囲の周囲状況を、縮尺3000分の1程度で明記したもの
配置図・平面図敷地や面積、部屋数や施設などの図
避難経路の状況も確認できるもの
構造設備の使用図ロビー、客室、洗面所などの必要設備がどのように配置されているか確認できる図
使用承諾書賃貸の持ち主が民泊としての使用を承諾しているかの証明書
水質検査成績書井戸水などを使用する場合、検査機関に依頼をし、直近3カ月以内の水質検査成績書の写しをもらう
土地・建物登記簿建物登記簿謄本その土地の所有者が記載されているもの
検査済証建物が、建築確認申請書と同じように施工されていることの証明書
※検査済証の写しで可
消防法令適合通知書消防署の立入検査後に受け取る通知書

 

特区民泊に必要な書類

特区民泊は各自治体の管轄になり、地域によって内容が異なります。また、法人か個人かによっても違いが大きいため、手続きの際は必ず該当する自治体に確認をしましょう。

登記事項証明書(法人の場合)
住民票の写し(個人の場合)
申請時に必要
賃貸借契約及びこれに付随する契約にかかる約款賃貸借契約が基本であるため、その根拠になる書類
※この書類に最低滞在日数に関する情報を付け足す必要があります
施設の構造設備の図面平面図・フロア図(マンションの一部の場合)、部屋数などが分かる図面
施設を事業に使用するための正当な権利を証明する書類民泊を運営する物件の所有者に民泊運営の許可を受けて証明書を作成します。
近隣住民への周知を完了した旨の報告近隣住民に説明する際などに使用した説明書や、その内容が分かる書類
近隣住民からの苦情、問い合わせに対応する体制の証明問い合わせが可能な窓口が記載された書類
消防法令適合通知書消防署の立入検査後に受け取る適合通知書

 

新法民泊に必要な書類

新法民泊はオンラインで申請が可能で、民泊運営のサイトから提出できます。 

届出書申し込み情報を記載する書面
※物件のある各自治体の保健所やホームページから入手可能
証明書本籍地の役所で取得する個人の証明書
欠格事由に該当しないことを誓約する書面民泊新法の欠格事由に該当しないで民泊運営が可能であることを誓約する書類(犯罪歴の有無など)
登録事項証明書住宅の権利関係などを明らかにする証明書
※法務省で取得可能
入居者募集の広告その他それを証する書類入居者募集の広告や、賃貸不動産情報サイトの掲載情報の写し
「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類セカンドハウスや、別荘などで年に一回以上の利用をしていることの証明
住宅の図面消防署の立入検査後に受け取る適合通知書
賃借人、転借人から承諾をもらっていることを証する書類施設の家主からの民泊運営承諾を得たという証明書
区分所有の建物の場合、規約の写しマンションやアパートのような分譲物件で運営する場合、民泊運営が可能な旨が記載された管理規約の写し
管理組合に禁止する意思がないことを証する書類民泊を運営するマンションやアパートの規約に民泊についての記載がない場合に必要。家主や、管理組合に確認し、民泊を禁止する意思がないことを確認する証明書
委託する場合は、管理業者から交付された書面の写し施設に運営者が不在で民泊を営業する場合に必要な民泊管理業者との契約書
消防法令適合通知書消防署の立入検査後に受け取る通知書

 

民泊の届出を行う際の注意点

民泊新法の届け出の際、注意すべき点がいくつかあります。これらは他の届け出とは少し異なる部分であり、新法の大きな特徴ともいえる部分です。民泊新法で押さえておくべきポイントを今からお伝えします。

条例の確認

届け出が可能な住宅は、条件として台所、トイレ、浴室、洗面設備がある住宅のみと定められています。空き家など、住宅として使用されてない場合は民泊新法での申請ができません。

現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集がされている家屋、所有者等の居住の用に供されている家屋、のいずれかにあてはまっていれば届け出を行うことが可能で、言い換えると現在人が生活できる状態にあればいいということになります。

さらに、営業できる日数は180日と決まっています。ホテルや旅館とは違い、住居の一部として使われるべきであるという規則の元、年間営業日数を制限されているのでこれを超えるようであれば、他の運営方法を考えましょう。

消防法の確認

民泊新法では、宿泊サービスを提供するうえで、定められている消防設備の設置が義務付けられています。民泊を運営する住宅は、不特定多数の人が出入りする物件であるため、消防法令では「特定防火対象物」に該当します。消防法令の中でもかなり厳しい設置基準なので、しっかり確認しておいてください。

消火器をはじめ、火災報知機や避難器具など、設備は様々なものが必要ですが、FESC消防設備ナビの「用途別設備一覧」に詳しく記載があります。

住宅の広さや収容人数によっても必要な設備が変わってくるので、住宅に関する情報を集めておくといいでしょう。消防署の指示のもと消防設備を揃え、それがと整うと「消防法令適合通知書」を受け取ることができます。届け出の際に必要な書類の一つなので、しっかり保管しておいてください。

賃貸契約の確認

もう一つ注意点しなければならないのは、民泊を運営する賃貸の契約内容です。賃貸の物件は、家主や管理組合の判断によって民泊の使用に使えるか使えないかが決まっているため、事前にその点を確認しておく必要があります。届出を出す際には、必ず民泊禁止の意思がないことが証明できるものを提出する必要があるので、そちらを依頼する前にしっかり確認しておきましょう。

また、書面に記述がない場合は直接確認するのがおすすめです。許可なく運営を開始してしまうと、大家さんやマンションの管理組合から運営禁止にされる可能性もあり、トラブルにつながります。トラブルなく運営するには、確実に運営が可能な賃貸で開始しましょう。

まとめ

ここ数年滞っていた旅行事業もようやく復活の兆しが見え始めました。来日する外国人が増えることで、インバウンド事業がうるおい、日本の経済回復も見こめるかもしれません。このように宿泊業が盛んになっていく中で、自分が持っている物件や空いている物件を利用して、新しく民泊を運営してみるのはいかがでしょうか。

民泊新法が制定された現在は、ある程度の基準を満たし、条件が揃っていれば、比較的簡単に開業できる状況だと言えます。このチャンスを生かして、ご自身の新たなビジネスを始めてみてください。

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