民泊新法の上乗せ条例とは?東京23区の上乗せ条例まとめ

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民泊新法の上乗せ条例とは?東京23区の上乗せ条例まとめ

民泊を始める際に届出を出したり許可を得る必要がありますが、法律だけでなく各自治体の条例に当てはまっているかも確認しなければいけません。それぞれの自治体が出している条例の内容は異なるため、地域によって民泊のやりやすさは違ってきます。そこで今回は東京都23区の上乗せ条例について詳しく解説していきます。住んでいる地域、または民泊を始めたいエリアの条例についてきちんと理解しておきましょう。

民泊新法の上乗せ条例とは?

法律は分かるけど、上乗せ条例という言葉を聞いてもピンと来ない人もいるでしょう。まずは上乗せ条例とは何なのか、そして法令と条例の違いや優先順位を理解することから始めましょう。

法令と条例の違い

法令とは法律や政令、省令を総称した言葉で、法令の中でも代表的なものが法律になります。法律は国会で定められた法のことであり、全国で適用されます。

一方で条例は地方自治体が定めた法令のことを指し、その区域内で有効となります。とはいえ、条例でなんでも決められるというわけではなく、法律の範囲内で制定されなければいけません。

法律は全国で適用されるものですが、各地方や地域によって事情が異なるためそれぞれの地域にあった法令も必要になります。そのために条例が制定されるのであり、市や街の状況を踏まえて自治体が上乗せで厳しい規制をかけることを上乗せ条例と言います。

法令と条例の優先順位

では、法令と条例ではどちらが優先されるのでしょうか?

例えば民泊においては、民泊新法に加えて自治体が上乗せしている条例に当てはまらなければ民泊営業をすることはできません。そしてこの条例は区によって違うため、比較的民泊を始めやすいところもあれば厳しい規制をかけている地域もあります。

民泊新法では営業日数が180日以内と決められていますが、場所によっては週末しか営業を認めていないところもあります。そのため、民泊を始めようと考えている人は法律だけでなく自治体の条例も確認しなければいけません。

東京23区の上乗せ条例まとめ

では、東京都23区ではどのような条例が出されているのでしょうか?それぞれの区を詳しく見ていきましょう。東京都で民泊をやりたいという人はぜひ参考にしてください。

千代田区

千代田区は営業スタイルと区域によって分けられています。家主滞在型もしくは常駐していることが条件で、文京区等と学校等周辺以外では制限がありません。文教区等または学校等周辺は金曜日と土曜日のみ営業ができます。

管理者駆け付け型、もしくは駆け付けの要件を満たさない場合は営業することがかなり難しく、条件によっては営業ができない場合もあります。千代田区の駆け付けの条件は、管理者のいる場所から物件まで半径700mで10分以内に駆けつけることです。

中央区

中央区は区域や営業タイプに関係なく「土曜日の正午から月曜日の正午」のみ、つまり土日しか営業が許可されていません。これはマンションや居住エリアが多いことを配慮した結果だと考えられます。

月曜日の午後から金曜日までは稼働できないため稼働率を上げるのは難しいでしょう。その他にも届出の7日前までに近隣住民への説明会を実施したり、トラブルが起きた時は迅速に駆け付ける体制を求めています。

港区

港区は家主居住型であれば制限はありません。一方で居住専用地域と文教地区で家主不在型タイプの営業をする場合は制限期間が設けられます。

制限期間は以下の通りです。

  • 1月11日の正午〜3月20日の正午
  • 4月11日の正午〜7月10日の正午
  • 9月1日の正午〜12月20日の正午

制限がある区域で家主不在型だと制限はあるものの、区域を選ぶか家主居住型にすれば運営はやりやすいでしょう。

新宿区

新宿区は住宅専用地域での営業は金曜日の午後〜日曜日のみ可能となっており、それ以外の地域では制限はありません。つまり制限がある地域でなければ営業スタイルに関わらず民泊を行うことができます。

また、民泊で出るゴミは事業ゴミとなります。ゴミの排出はゲストに行わせるのではなくホストが責任を持って処理をするようにと記載されてあります。自分で処理するのが難しいのであればゴミ処理業者へ委託することも可能です。

文京区

文京区は制限区域では金曜日〜日曜日のみ営業が可能で、その他の区域では180日以内で民泊を行うことができます。制限区域は住宅専用地域、住宅地域、文教地区そして準工業地域の4つです。

なお、文京区で民泊を始める場合は届出の15日前までに周辺の住民に対する説明会の実施や周知が求められています。また、届出の際の事前相談は予約制になっているので注意が必要です。

台東区

台東区は管理者が常駐しているか家主居住型であれば制限なく1年で180日まで運営ができます。しかし、管理者が常駐していない物件については土日・祝日と年末年始しか実施が認められていません。

そのため、台東区での民泊を考えているのであれば家主居住型にするか管理者を常駐させておくことをおすすめします。また、トラブルが起きたときの対応は30分以内と記載されているため速やかな対応が求められます。

墨田区

墨田区に上乗せ条例はないため、民泊新法の届出をしていれば民泊を行うことができます。東京ソラマチや水族館を併設している東京スカイツリーや買い物スポットも充実している錦糸町など、観光を楽しめる場所がたくさんあるので国内だけでなく外国人観光客もターゲットにした民泊もできるでしょう。

なお、民泊事業では2ヶ月ごとに定期報告をする必要があります。オンラインもしくは紙面で行えるので忘れないようにしましょう。

江東区

江東区では民泊の実施は土曜日の午後〜日曜日と祝日(年末年始含む)のみ可能となっています。そのため平日の営業はできません。

江東区の民泊事業者への遵守事項には近隣住民への説明や苦情への対応などに加えて、外国人旅行者に対しての外国語での案内もするようにとの記載があります。また、トラブルを防ぐためにも宿泊者へのごみの処理や騒音などについての説明も求めています。

品川区

品川区は商業地域および近隣商業地域では制限なしで民泊が行えます。それ以外の地域については土曜日の午後〜月曜日の午前のみ実施可能です。

東京旅行のステイ先だけでなく、国内外からの出張の際の滞在先としても人気のエリアなのでビジネス客をターゲットとした民泊もおすすめです。初めて民泊ビジネスを始める方は、事前に窓口で相談をしておくと届出がスムーズに行えます。

目黒区

目黒区は区内全ての地域で日曜日の正午〜金曜日の午前まで営業が認められていません。区内のほとんどが住宅地で占められているため、金曜日と土曜日のみと条件が少し厳しくなっています。

さらに、周辺の住人から苦情が寄せられた場合はその日時や内容、対応などを3年間保存しておく必要があります。以前は届出が紙面のみでしたが、今は民泊制度ポータルサイトを通しての届出ができるようになっています。

大田区

大田区は元々特区民泊の区域に指定されていました。民泊新法においては工業地域と住宅地域のみ営業不可で、その他の地域では民泊事業が行えます。ただし、令和四年から新たに施行されたガイドラインでは、小学校・中学校の敷地から100メートル範囲内では月曜日の正午〜金曜日の正午まで営業は認められていないため注意してください。

一方で家主居住型の場合は基本的に制限を受けずに実施ができます。また、トラブルが起きた時は原則として10分以内に駆け付けられるよう体制を整えておくよう決められています。

世田谷区

世田谷区では住宅専用地域の場合、月曜日の正午〜土曜日の正午までは民泊はできませんが、祝日・年末年始は営業ができます。それ以外の制限がない地域では180日まで民泊を運営することが可能です。

世田谷区に限らず、分譲マンションで民泊を行うときは必ず管理規約で住宅宿泊業が認められているかを確認しましょう。届出の際に認められている旨が記載されている書類が必要になります。

渋谷区

渋谷区においては文教地区と住宅専用地域に制限が設けられており、制限期間は4つに細かく分けられています。

もし制限がある区域で民泊を行う場合は、制限が細かく設けられているため稼働率を高くするのが難しいかもしれません。しかし、日本の夏休みや冬休み・春休みにあたる期間は営業ができるのでその期間での予約獲得を目指しましょう。

その他にも、渋谷区では住宅宿泊業法で定められている標識に加えて区が交付した標識も掲示することが義務付けられています。

中野区

中野区は制限された区域では金曜日〜日曜日と祝日のみ営業できます。制限のある区域は都市計画法に基づいた用途地域の中の第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域のことを指します。

ただし、制限区域内であってもホームステイ型で必要な要件を満たせば、一定の条件付きで平日でも営業を行うことが可能になります。

杉並区

杉並区は住宅専用地域で家主不在型の場合は制限が設けられ、金曜日の午後〜日曜日の正午までのみ民泊が認められます。杉並区は住宅専用地域が区の8割を占める住宅都市であることから、制限を受けずに民泊をやりたい場合はホームステイ型にすることをおすすめします。

また、ガイドラインには騒音問題を防止するために配慮するべき項目として、大声での会話は避けることや屋外でのパーティーや宴会は禁止することなどが書かれています。ゲストの宿泊時にはこういった内容もしっかり説明しましょう。

豊島区

豊島区には上乗せ条例はありません。豊島区には新宿駅に次ぐターミナル駅である池袋駅があります。成田空港からは池袋方面行きのバスが出ており、羽田空港までも1回の乗り換えでアクセスできるため、外国人観光客にも使い勝手のいいエリアです。

渋谷駅や新宿駅にも近く、東京駅までも20分、横浜駅までも乗り換えなしで行くことができます。とにかくアクセスがいい地域なので旅行者にとっては利便性が高いところが魅力になります。

北区

北区も豊島区と同様に上乗せ条例はないため、届出を出して民泊を運営することができます。北区のホームページには事前相談や届出の方法、審査にかかる時間など、事業を始める流れが詳しく載っています。

北区のガイドラインとして、宿泊者の名簿の保存期間は3年と定められており、代表者のみではなくゲスト全員の名前を記載する必要があります。また、家主不在型の場合は防犯カメラの設置も推奨しています。

荒川区

荒川区は区全体で土曜日〜日曜日のみの実施が可能と条件が厳しいです。届出の際の周辺住民への対応は、届出の1週間前までに住民へ書面で周知することが必要とされており、管理者の物件から1キロ以内に常駐しなければいけません。

また、2ヶ月ごとに定期報告では宿泊人数や宿泊日数、ゲストの国籍別の内訳も報告します。民泊は週末しか認められていないため、収益を上げたい人は持っている物件の別の活用法も考えてみることをおすすめします。

板橋区

板橋区では住居専用地域が制限地域となっており、金曜日の午後〜日曜日の午前までと祝日がある場合はその前日から営業が可能です。

しかし、板橋区は「ホームステイ型などのホスト自らが管理業務を行う場合や苦情などに迅速に対応できるのであれば規制の対象外にする」としています。そのため規制のかかっている地域でも、家主居住型にしたりトラブルにすぐに対応できることを示せば対象外になるかもしれません。

練馬区

練馬区は住宅専用地域で制限がかけられており、月曜日の正午〜金曜日の正午までは営業できません。ただし、祝日の前日〜祝日の翌日の午前までは民泊が行えます。

その他の地域については制限はありませんが、練馬区のルールとして近所の住民に対する通知は届出の15日前までに行います。また、説明会を実施するのであれば実施日の7日前までに知らせる必要があります。その他にも練馬区独自のルールがあるのでしっかりと確認しておきましょう。

足立区

足立区は練馬区と同じように住宅専用地域では営業できる曜日に制限があり、金曜日の午後〜月曜日の午前と祝日の前後のみ実施できます。それに加えて、12月31日〜1月3日の正午までの民泊も禁止されています。

年末年始に旅行をする人は多いので、その時期を狙うのであれば制限がない区域での民泊をおすすめします。新路線が開通してアクセスも良くなっているため、民泊での需要も今後増えていくでしょう。

葛飾区

葛飾区は地域制限も曜日制限もないので、届出をして標識が交付されれば事業を始めることができます。

下町の雰囲気が色濃く残る葛飾区は、情緒溢れる街でありながらも都心へのアクセスが良好です。JR総武線、京成本線、京成押上線、JR常盤線など数多くの路線が通っているため各方面の観光地にも行きやすいです。成田空港へも直通で行けることから外国人観光客にも利用しやすい街と言えるでしょう。

江戸川区

江戸川区にも上乗せ条例はありません。ただし、民泊を始める前にホストもしくは管理業者は区が行っている講習会に参加する必要があります。民泊について学べるだけでなく、ホスト同士で交流ができたり自治体にとっても管理業者側の意見を聞いたりできる機会になるでしょう。

アクセスも良好で落ち着いた街なので、観光はしたいけど宿泊は静かなところがいいと考えている旅行者には需要がある街と言えます。

まとめ

いかがでしたか?東京23区の中でも、目黒区や千代田区、中央区のように上乗せ条例が厳しいところもあれば、葛飾区や江戸川区のように上乗せ条例がなく民泊が始めやすいエリアもあります。

もし民泊をしたい候補のエリアがあれば、条例を必ず確認しましょう。民泊がやりやすいかどうかは地域の条例によって左右されるため希望のエリアでは難しい場合もあります。自治体の条例は新しくなったりもするので、定期的に見直すことも大切です。

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