
民泊がもたらすメリット
民泊を始めることによって、どういったメリットがあるのか知っておくことは大切です。民泊はハウスオーナーだけではなくハウスゲストや日本経済全体にも寄与するものです。それぞれの対象ごとに利点があって、大きな魅力があるため流行っているのです。そこで、民泊のメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
経済的なメリット
メリット1: 増加する外国人観光客の宿泊施設の確保が可能
現在、日本は国が中心となって観光客を増やそうとしています。その成果が出ていて、年々、海外から訪れる観光客の数が増えているところです。しかし、観光客が増えたことで宿泊施設の不足が問題視されています。今のままでは多くの人が訪れても対応することができない地域がたくさんあるのです。そこで、宿泊施設を確保する目的で民泊が注目されています。民泊を始める人が増えれば、その分だけ宿泊需要に応えることができるという利点があります。
メリット2: 日本の空き家問題への対策
日本では現在空き家問題が深刻化しています。誰も住んでいない空き家が各地に放置されているのです。そのような住まいを放置しておくのはとてももったいないことです。また、空き家が犯罪の温床になったり、倒壊して被害が出たりするといった点も問題視されています。そこで、空き家をリノベーションして民泊として活用するという方法が注目されているのです。空き家を有効活用することで問題を解決できると期待されています。
メリット3: 人口減少する地方の地域活性化のトリガーに
地方の人口はどんどん減少しています。少子高齢化が進み、新生児の数が減っています。また、地方に魅力がなくなっているため、若者がどんどん都会に出ていくようになっている傾向もあるのです。このような問題を解決するために各地方自治体は地域活性化に取り組んでいます。そこで、イベント民泊などを活用するという方法があるのです。上手く活用することで地方に目を向けてもらえば、地方活性化に大きく寄与するでしょう。
ハウスオーナーのメリット
メリット4: 空き家を活用して副収入を得ることができる
空き家を持っているけれども上手く活用できていないハウスオーナーは、民泊施設として活用することで副収入を得られます。何も利用していない空き家は毎年税金が発生してしまい、家を管理するための費用も発生するため、このままではどんどん損をします。そこで、誰も使っていない家をリノベーションして、空いている部屋を宿泊施設として貸し出すことで、副収入を稼げるのです。空き家を利用して利益を生み出すことができるのは大きな利点といえます。
メリット5: 多くの人との交流機会を得る事ができる
民泊を経営すると多くの利用者と関わることができます。そのなかには国内旅行者だけではなく海外からの宿泊者も多いです。そのため、オーナーとして世界中の人と交流を楽しめるという経験ができます。他人と関わるのが好きな人には嬉しい機会となり、多くの人と交流をして人脈を広げることができるでしょう。このような体験に魅力を感じるならば、民泊のオーナーになることはおすすめです。普通に日本で仕事をしていたのでは出会えない人と巡り合う機会がたくさんあります。
メリット6: 簡単に民泊事業オーナーになる事ができる
副収入を得るために何か事業を始めたいと思っているならば、民泊運営はおすすめです。簡単に開業することができて、ハードルが低いからです。すでに空き家を持っている人であれば、その物件を利用することで物件探しの時間を短縮することもできます。また、物件の管理については、民泊管理代行会社があるためそちらを利用することで面倒な仕事はすべて任せてしまうことが可能です。このように事業として簡単なものであり、簡単にオーナーになれます。
ハウスゲストのメリット
メリット7: ホテルや旅館よりも安く宿泊が可能
民泊は一般的にホテルや旅館などと比較して宿泊料金が安いです。そのため、旅行の費用を抑えたいと考えている人にとって魅力的な選択肢といえます。運営するためにかかるコストがホテルや旅館などと比べるとかなり安くなるため、料金を低く設定できるのです。その地域にある宿泊施設の料金相場よりも格段に安い料金で泊めてくれるところがたくさんあります。きちんと物件を選べば、充実した環境の部屋を利用することができるため、安い費用でも快適に滞在できるでしょう。
メリット8: 地域特有の文化体験ができる
民泊を利用するとその地域に特有の体験ができるという利点があります。施設のなかには、利用者のためにさまざまな要素を準備しているところが多いからです。たとえば、その地域の観光案内をしてくれたり、さまざまなアクティビティを用意してくれたりする物件があります。その地域ならではの料理を振る舞ってくれたり、伝統文化に触れたりすることも可能です。こういった体験はホテルや旅館などではなかなかできないものであり、とても貴重な機会といえます。
メリット9: 普段味わえない部屋に宿泊できる
外国人観光客にとっては、日本の普通の民家に泊まることだけでも興味深いものといえます。日本の普通の住居や生活を体験することができるからです。せっかく日本に来たのだから、日本らしさを味わいたいと思っている外国人利用者にとって、民泊はとても魅力的といえます。ホテルのような明らかに西洋的な部屋ではなく、日本の一般的な住まいでの暮らしを満喫できるからです。この利点は日本人が外国の民泊を利用する場合にも当てはまるでしょう。
民泊運営のデメリット
民泊運営には良い面ばかりではありません。デメリットもあるため、その点についても理解しておくことが大切です。悪い点も踏まえたうえで、自分にとって本当に価値のあるものか考えることが大切です。それでは民泊運営に関して、一体どういったデメリットが存在するのか、それぞれ説明しましょう。
経済的なデメリット
デメリット1: 既存のホテル・旅館の競合となる
民泊事業はその地域にあるほかの宿泊施設と競合することになります。民泊に泊まろうと考えている旅行者は、常にホテルや旅館なども選択肢として考えていることが多いです。そのため、それらの宿泊施設と常にパイを奪い合っているといえます。いかにしてホテルや旅館にはない魅力をアピールするのかがオーナーには求められるでしょう。民泊だから絶対に多くの旅行者を集められるとは限らないのです。競争に負ければ事業が立ち行かなくなることもあります。
デメリット2: 主要エリア以外の空き家活用が進まない
基本的に民泊の需要が高いのは都心部です。これは都心部には多くの人が訪れるため宿泊施設が慢性的に不足しているからです。このような環境であれば、物件の稼働率は高くなります。しかし、地方都市や人気のない都市の場合は、そもそも宿泊施設の需要がそれほど高くありません。したがって、民泊を始めたとしても思うように旅行者を集められないことが多いでしょう。主要エリア以外の空き地問題を解決することが難しくなる可能性があります。
デメリット3: 東京都内の条例の整備に人件費がかかる
2018年6月に民泊新法が成立して、それ以来、多くの地域で民泊事業が注目されるようになりました。しかし、まだまだ歴史の浅い事業であり、法整備がきちんと進んでいないのが現状です。法整備をするためには自治体にリソースがかかってしまいます。さまざまな費用が発生してしまうのです。最近では、東京都内で民泊条例を整備するのに市区町村が多くのリソースを投下しました。今後も法整備には人件費をはじめとして多くの費用がかかるでしょう。
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ハウスオーナーのデメリット
デメリット4: 物件が汚れたり壊れたりすることがある
民泊として自分の所有する物件を貸し出すと部屋を汚されたり壊されたりする可能性があります。特に民泊の場合は外国人観光客が多く宿泊するため注意しましょう。日本人とは考え方が違い、きちんとマナーを守ってくれないケースも考えられるのです。その結果、トイレなどの設備を壊されたり、部屋を汚くされたりすることがあります。そうなると部屋や設備の修理や修繕のために多くの費用がかかってしまいます。ゲストにマナーを守ってもらうための工夫をしなければいけません。
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デメリット5: 各国のゲストの文化の違いに配慮が必要
利用者のなかには外国人がたくさんいます。そのため、外国人に対する配慮をきちんとすることが大切です。特にアジア圏からの旅行者がたくさんいるため、英語ができるとは限りません。英語以外にも多言語対応していなければ、多くのゲストを集められないでしょう。そのため、外国人を受け入れるための準備に手間がかかります。日本人とは文化が違うことに対する配慮もしっかりと行わなければいけません。
デメリット6: 年間180日の営業日数の上限がある
新法民泊では年間に180日までしか運営をしてはいけないというルールがあります。そのため、営業日数の上限があることを踏まえたうえでの運営が求められます。限られた営業日数のなかでいかにして稼働率を高められるのかが重要です。効率よくゲストを集めて、180日のなかで可能な限り稼働率を高めることができなければ、満足できる売上を確保できなくなります。どのようなスケジュールで運営するのかしっかりと計画を立てることが大切です。
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ハウスゲストのデメリット
デメリット7: Airbnbのリスティングと実際の見た目が異なるリスク
これから利用する物件はAirbnbで探すことになります。その際には、Airbnbのサイト上で部屋の写真などを確認してから検討することになるでしょう。しかし、実際に訪れてみると、写真でみたのとは全然異なる物件だったというケースがあります。この場合は、ホストとトラブルに発展する可能性もあるでしょう。悪質な場合には、まったく異なる物件の部屋を掲載していたというケースもあるのです。実際の見た目と写真が異なる可能性があることを考慮して利用しましょう。
デメリット8: ホテルのルームサービスが受けられない
ホテルや旅館の料金が高いのはルームサービスやフロントサービスなど特別なサービスを受けることができるからです。充実したおもてなしを用意しているため、それに対するお金として高い宿泊料金を支払います。したがって、民家の民泊を利用すると、料金が安いのですがルームサービスなどはほとんど用意されておらず、満足できない可能性があるでしょう。ホテルに慣れているとサービスが悪いと感じてしまい、居心地が悪いと思うこともあります。
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デメリット9: 違法民泊で犯罪に巻き込まれるリスク
なかには違法な経営をしているところがあります。そのような施設を利用すると犯罪に巻き込まれるリスクがあるため注意しましょう。現在、違法物件はほとんどなくなっているのですが、0ではありません。特に信頼できないサイトで募集されている物件には注意するべきです。たとえば、犯罪組織のアジトとして利用されているといったケースもあります。せっかく旅行を楽しんでいるのに犯罪に巻き込まれるのは避けたいものです。法律にしたがって運営されている物件を利用しましょう。
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さいごに
民泊物件は国にとってもオーナーにとっても利用者にとっても大きく寄与するものです。民泊によって空き家を有効活用することができ、宿泊施設不足を解消することも期待できます。また、民泊は普通のホテルや旅館よりも料金が安く、民家に泊まることでその地域の文化を体験するよい機会にもなります。このように多くの利点があることを受け入れるべきでしょう。もちろん、民泊にはデメリットもあるのですが、それぞれ改善策を講じることができるため、基本的には安心できる存在です。
株式会社プレイズは、住宅宿泊管理業者として東京都を中心に豊富な管理実績を保有しております。これから民泊を開業したいけれど何から始めればいいのかわからないといった場合には、お気軽にご相談くださいませ。