民泊の用途変更とは!? 用途変更の概要と方法について説明

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民泊の用途変更とは!? 用途変更の概要と方法について説明

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民泊を経営する上で、建物の用途という問題に直面している方もいるのではないでしょうか。民泊を開業するには、建築基準法で定められた建物の用途を守らなければなければなりません。建物の用途とは、その建物の使用目的のことです。

たとえば、分譲マンションは「共同住宅」、一般的な戸建ての住宅は「一戸建ての住宅」などに該当します。民泊は、旅館業法によって「簡易宿所営業を行う施設」と定められているので、建築基準法で定められている建物の用途が「ホテル又は旅館」でなければなりません。民泊を開業する予定の建物の用途が「ホテル又は旅館」以外だった場合は、用途変更が必要です。きちんと建物の用途や用途変更について知っておけば、スムーズに手続きができます。

そこでこの記事では、建物の用途や用途変更について詳しく解説します。

建物の用途変更とは!?


建物の用途変更をする前に、民泊を経営する土地の用途地位について知っておかなければなりません。用途地域とは、「都市計画法」で定められた地域は、建築できる建物の種類や土地の使用目的を制限し、定めたルールのことをいいます。

これを用途地域といい、これに定められた地域には決まった建物しか建築できません。用途地域がなければ、住宅街の隣に工場を建てられるので、住みにくい環境の町となる可能性があるからです。地域の用途だけでなく、建物の用途も住みやすい環境の町づくりのために建築基準法で定められています。

建物の使い方を「建築物の用途」として定めることにより、用途地域に建築できる建物かどうかを選定しているのです。民泊を開業できる用途地域であっても、民泊施設予定の建物の用途が「共同住宅」であった場合、民泊を開業できません。

たとえば、一戸建ての家を民泊用の施設として貸し出す場合、「一戸建ての住宅」から「ホテル又は旅館」に用途変更して、はじめて民泊の開業ができます。この場合、用途変更は書面での変更のほかに、用途に適した改修工事なども必要になるので、注意しましょう。

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民泊促進のために建築基準法が緩和される


2018年6月に公布された改正建築基準法が民泊開業への後押しとなっています。日本は、空き家が増加傾向にあるようです。空き家の活用方法のひとつに民泊としての活用があげられています。自宅や空き家などの一般的な住宅を民泊で利用する場合、建物の用途が必要不可欠です。用途変更を行う際には、建築基準法の規定に適合した建物でなければ認められません。

民泊を開業するには、「旅館・ホテル業」という建物の用途に適合するために工事や改修などが必要です。時間や費用を考えなければなりませんでした。しかし、今回の建築基準法の緩和によって、一般的な住宅での民泊開業がしやすくなったようです。そこで、ここでは建築基準法の緩和事項についてご紹介します。

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緩和事項1: 3階建で200㎡未満の場合、壁・柱等を耐火構造とする改修は不要

これまで、3階建てで200㎡未満の建物を「旅館・ホテル業」に用途変更をする場合、建築基準法で定められた耐火構造の建物にしなければなりませんでした。壁や柱を全面的に改修工事が必要で、コスト面で大きい負担がかかっていたようです。

しかし、今回の改正によって、「旅館・ホテル業」を用途とする3階建の建物で200㎡未満の場合、耐火構造にする改修が不要となりました。ただし、火災が起こった場合、在館者が迅速に避難できるよう、下記に記載してある措置が必要です。

自動火災報知設備などの設置
 階段を間仕切壁+防火設備などで区画する階段の安全措置

 今までのような大規模な改修工事は必要ありません。これまでコスト面で問題のあった3階建ての戸建て住宅も民泊施設として活用する選択肢が広がったといえます。

緩和事項2: 200㎡以下の他用途への転用は、建築確認手続き不要

これまでは、「一戸建て住宅」の建物用途を「旅館・ホテル」へ用途変更する際、使用する床面積の合計が100㎡以下であれば、役所への確認申請手続きが不要でした。しかし、今回の建築基準法の改正で、その基準が引き下げられます。床面積の合計が200㎡以下であれば、役所への確認申請が不要です。

基準が引き下げられたので、面倒な手続きはなくなります。これまで以上に、建物の用途変更が容易になるといえるでしょう。確認申請は不要ですが、建物の用途変更は必ず必要なので注意しましょう。自治体によっては、床面積の合計が200㎡以下であっても、ほかの申請などが必要になる場合もあるようです。用途変更の申請をする際に、役所の窓口などでほかに必要な申請があるか、確認することをおすすめします。

民泊では用途変更が必要となるケース


民泊は旅館業法で「簡易宿所営業を行う施設」と定められています。建物の用途が「ホテル又は旅館」とされていない限りは、用途変更をしなければなりません。建築基準法において、「住宅」、「長屋」、「共同住宅」、「寄宿舎」とされている建物で民泊を開業する場合、用途変更は必要なので注意しましょう。

「住宅」と定められるもの

人の居住用に提供されているもの。社宅で一戸建てのものも分類されます。別荘、も住宅に分類されるようです。自宅を民泊施設として貸し出す場合も必要です。

 「長屋」と定められるもの

集合住宅のひとつの形態のことをいいます。1棟の建物に複数の住戸が存在しており、それぞれ独立しているのが特徴です。共用部分がなく、各住戸それぞれが独立しており、単独で道路へと出ていけます。主にテラスハウスなどです。長屋のひとつを民泊用の施設として利用する場合も用途変更は必要です。

 「共同住宅」と定められるもの

居住用の建物で、1棟の内部が数個の住居に仕切られており、数世帯がそれぞれ独立して生活できる建物です。建築基準法上、特殊建築物に分類されます。アパート、マンション、コーポなどです。分譲マンションなどの1室を民泊の部屋として貸し出す場合も用途変更は必要になるので、注意しましょう。

 「寄宿舎」と定められるもの

学生、社員などのための寮のことをいいます。建築基準法上、特殊建築物に分類されるようです。

用途変更の方法

それでは、実際に用途変更を行う際に必要な手順について説明いたします。

建築基準法の確認

民泊を開業する建物が既存の建物である場合、建築基準法に適合している建物かどうかを確認しなければなりません。建築基準法に適合していない場合、「既存不適格建築物」という判断がされます。既存不適格建築物になった場合、現行の建築基準法に適合するための改修工事が必要です。

一般的に、新築の建物は建築基準法に適合しています。しかし、建築基準法の改正などにより、現在の建築基準法には適合しない建物になるようです。そのような建物が既存不適格建築物といわれています。

図面の準備

図面の準備も必要です。建築図、設備図、構造図などの複数の建物の図面が必要になるようです。きちんと必要な図面を確認しておきましょう。

基本的に確認申請とほぼ、同じ書類が必要になります。民泊で使用する建物の使用面積の合計200㎡以下の場合は確認申請は不要です。用途変更だけ行う方は、きちんと必要な図面に不備がないか、確認しておきましょう。

費用の確認

用途変更には、図面のほかにも書類や、各地方自治体で定められた改修や書類が必要になることもあるようです。改修工事まで含めると、費用が大幅にかかることが予想できるでしょう。

用途変更には、提出書類や専門的な知識が必要です。一般的に行政書士または、各都道府県の建築基準法担当窓口に相談することをおすすめします。弊社も専任の行政書士がおりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

民泊を開業する際に、建物の用途が「旅館・ホテル業」以外の建物を使用する場合、必ず建物の用途変更は必要です。用途変更を行わなければ、法律違反になりますので、注意しましょう。

 建築基準法の改正によって、用途変更前に行わなければならない建物の確認申請が緩和化されたので、民泊開業を考える方には追い風となっているようです。建物の用途をきちんと確認せずに民泊施設を準備すると、予想外の改修工事が必要になる場合もあります。

 用途変更は、各地方自治体の条例で追加の規定などもありますので、確認が必要です。用途変更には専門的な知識が必要になるので、建築士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。弊社でも専任の行政書士が常駐しております。お困りの際は、お気軽にご相談ください。