民泊の緊急駆けつけとは!? 概要や駆けつけ例について解説

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民泊の緊急駆けつけとは!? 概要や駆けつけ例について解説

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2018年6月に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行され、日本では民泊運営のハードルが上がりました。そんな中、「駆けつけ対応」に関する項目が難しいとの声も増えてきています。駆けつけ対応と言えど、どんなときに行えばいいのかわからない人もいると思います。そこで本記事では、これから民泊を始める方々に向けて、非常に高い壁になっている「緊急駆けつけ対応」について理解していただけるように説明していきます。

民泊の緊急駆けつけとは何か?


「緊急駆けつけ」とは何なのか、まずは民泊新法のガイドラインの一文を紹介します。

「住宅宿泊管理業者が管理受託契約の締結の勧誘をするにあたっては、住宅宿泊管理業務の適切な実施が確保できることを明らかにするため、届出住宅へすみやかに駆けつけることが可能な体制を有していることを委託者に示しながら行うことが望ましい。」(参照:住宅宿泊事業法施行要領

このように記されている通り、家主不在型の場合は運営を委託する住宅宿泊管理業者が、緊急対応が必要になった際に、宿泊施設へ速やかに駆けつけることが24時間365日可能な体制を有しているかどうかが重要です。各市区町村によっては上乗せ条例でルールに差がある場合もありますが、トラブルが発生してから現地に到着するまでの時間は概ね30分以内が目安とされています。ただし交通状況などによって現地に赴くまでに時間を要することが想定される場合、60分以内が目安とも言われているので、これを満たすことができる体制があるかどうかの確認が必要となります。また、どんなときに緊急駆けつけ対応が必要になるか、いくつか例を紹介します。

ケース1:エアコンが故障したとき

夏や冬にエアコンが故障したときは、暑かったり寒かったり、間違いなくゲストが困ることになります。ゲストは日本の家電製品の利用方法などを完全に把握している訳ではないので、このような状況で質問・問い合わせが来るのは日常茶飯事です。

ケース2:給湯器が故障したとき

冬には温かいシャワーが必要になるため、お湯が出ないときもトラブルになりがちです。そんなときには、給湯器も日本固有の製品であるため、利用方法がわからないゲストからの質問などは頻繁に来ることを想定しておきましょう。

緊急駆けつけへの対応策


本章では、一見して大変そうな緊急駆けつけ対応についての対応策を紹介していきます。

大きく分けて、2パターン。万が一の際は、自分自身で対応するのではなく、「住宅宿泊事業者の資格を持つ民泊の運営代行会社に依頼する」もしくは「専門性の高いセキュリティ会社に依頼する」ということが考えられます。

民泊の管理代行会社に依頼する

まずは、民泊の運営代行会社に依頼するパターンを説明します。

例えば、国内最大級の民泊運営代行会社「イールドマネジメント」は、東京の清掃に特化した拠点を持っており、「清掃業務」や「かけつけサポート」を通じて、ホスト業務を積極的に支援しています。そして、彼らの「かけつけサポート」では、部屋の水漏れや騒音、ご近所トラブルなど、突発的な事象に対しても自社の清掃チームを迅速に現場に向かわせています。

このように、宿泊施設の管理業務の一部として、ワンストップで緊急駆けつけサービスも含めて展開している民泊運営代行会社も全国には少しずつ増えてきています。

セキュリティ会社に依頼する

次に、より専門性の高いセキュリティ会社に依頼するケースについて説明します。大手保険会社の「損害保険ジャパン日本興亜」を傘下に有するSOMPOホールディングス株式会社は、現在Airbnbと業務提携し、ゲストからの苦情に対する現場への緊急駆けつけ対応といった部屋の貸し手支援や保険商品の開発などで幅広く協力しています。

また、SOMPOホールディングス傘下の「株式会社プライムアシスタンス」は、Airbnbのサイトに登録された物件について、宿泊施設内における設備トラブルやゴミ処理問題などの相談を部屋の貸し手や借り手が自由に行えるようにするため、24時間体制でコールセンターを運営しています。

問題が起こらないようなルール設計がそもそも必要


ここまでは、どのようにして緊急駆けつけの対応を行うのかを説明してきました。続いて、そもそもそのような状況にならないようにするにはどうしたらいいのか説明していきます。やはり、問題が起きないような施設のルール設計が必要です。では、どんなルールがあるとよいか起きやすい事例をもとにお伝えします。

ルール例1: 宿泊施設への道のりを示したチェックインガイドを事前に共有する

やはりゲストは、海外から自身の知らない町へ旅に出てきます。そのため、もちろん宿泊施設のある地域のことがわからず、迷子になることも大いにあると思います。その結果、近隣住民宅へ間違えて訪問してしまったり、最悪の場合は目的地になかなかたどり着けなかったりします。

そうならないためにも、空港から最寄り駅まで、そして最寄り駅からお部屋までのアクセス方法を外国語でもまとめたわかりやすいチェックインガイドを必ず作成しておき、ゲストとの事前のやり取りの中で情報を渡すようにしておきましょう。

ルール例2: 家具家電、設備などの使い方を外国語で記したハウスマニュアルを用意する

おそらく日本国内の宿泊施設に設置されている家具家電や、施設内に備え付けられている設備のリモコンや説明書などの表記は、大体が日本語のものだと思います。しかし、海外から日本へ来たゲストたちはみんながみんな日本語をわかるわけではありません。

だからこそ、それぞれの使い方を外国語でも説明した情報が掲載されたハウスマニュアルを事前に用意しておくことが重要です。例えば、よく使われるのはエアコンや洗濯機、冷蔵庫、給湯器などでしょう。それぞれに対して、テプラなどで外国語表記を貼り付けておくと、きっと喜ばれることもあるはずです。

ルール例3: ティッシュなどの消耗品は予備のものを設置しておく

皆さんの宿泊施設に長期滞在をするゲストたちが来られる場合は、ティッシュ、トイレットペーパー、シャンプー、コンディショナー、食器用洗剤や洗濯用洗剤などの消耗品については、予備のものを事前に施設内に用意しておくことを推奨します。それらがなければ、新しいものを持ってきてほしいという苦情につながるかもしれません。

それらをゲストが取り出しやすい場所に設置しておくことができれば、万が一、予め用意していたものを使い切ってしまったときに、ゲストたちが困らなくて済むでしょう。そうすることができれば、宿泊されたゲストたちからのレビューなども良くなり、非常に満足度の高い滞在につながり、トラブルを回避しやすい環境を実現できるはずです。

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さいごに

民泊における「緊急駆けつけ」とは、ゲストや宿泊施設に何かトラブルなどが発生した際に、ホストが概ね30〜60分以内に現場へ駆けつける行為を指します。その対応策としては、民泊の代行会社に管理を委託したり、専門性の高いセキュリティ会社に対応を頼んだり、予め準備をしておくことが必要です。

これから民泊を始めたいと思っている方々にとっては、少しハードルの高いルールかもしれませんが、そんなときは私たちプレイズも24時間の緊急駆けつけ対応を含めた民泊の管理代行サービスを行っておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。