イベント民泊とは!? メリットや事例を紹介

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イベント民泊とは!? メリットや事例を紹介

目次

昨今いろいろなカタチの宿泊施設が増えてきていますが、本記事では「そもそも民泊って、どんなもの?」と気になっている方へ、観光庁および厚生労働省から発行されているガイドラインをもとに、少しずつ耳にする機会が多くなってきた「イベント民泊」を紹介し、実際に日本国内で行われた事例やメリットを紹介します。

イベント民泊とは!?


「イベント民泊」とは、オリンピックのような大規模なイベントが開催されるときに限り、当該地域に宿泊施設の不足が見込まれる場合、自治体からの要請などによって自宅を旅館業法の営業許可なく宿泊施設として提供できる宿泊サービスです。

また、自治体から認められ、イベント民泊を実施する(自宅を提供する)場合には、下記4つの手続きが必要です。(※参照:イベント民泊ガイドライン

[1]自治体がイベント民泊を公募しているかどうかご確認ください。
[2]各自治体による自宅提供希望者の公募案内に従い、提供を希望する自宅が、旅行者の宿泊に適した施設であるかご確認ください。
[3]必要に応じ、近隣住民や関係者との事前相談を行ってください。
[4]イベント民泊ガイドラインP9「イベント民泊の実施に向けた作業フロー(例)【自宅提供者用】」をご参照の上、公募を行っている自治体に申込書を提出してください。

イベント民泊のメリットとは!?


本章では、「旅館業法の営業許可なしで運営できる」という特別な措置をはじめとした、イベント民泊におけるメリットを紹介します。東京五輪を控える今だからこそ、知っておくべき情報をお届けします。

メリット1: 「旅館業法の営業許可なしで運営できる」

通常、民泊を始めるには「住宅宿泊事業法」や「旅館業法」、「国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度」における許認可を取得し、国や自治体などに定められた運営基準を満たす必要があります。

しかし、自治体からの要請等があった場合にイベント民泊として、民泊を行う許可を得られた場合には、それらのような許認可を受けずとも運営を開始することが可能となります。

メリット2: 「宿泊施設不足の緩和につながる」

昨今では、日本国内のさまざまなイベント開催地や観光地において、宿泊施設が不足しているという話を耳にする機会も多いと思います。

しかし、イベント民泊が実施可能となれば、その緩和を見込むことができ、地域住民には直接的に収益による経済効果をもたらす一方で、都市部には新たな宿泊施設を建造することもなく、持続可能な形で宿泊先の選択肢を増やすことができます。それは、訪日観光客の助けにもつながります。

メリット3: 「国内宿泊需要の取り込みも可能となる」

世間的には、「民泊=外国人観光客による利用」というイメージが一般的となってきている一方で、イベント民泊は各地域における宿泊施設数や、そのキャパシティの問題から、これまで取り込みきれていなかった国内からの宿泊需要も獲得することができると考えられています。

例えば、徳島県の「阿波おどり」期間中に行われたイベント民泊では、外国人以上に日本人の利用が多かったという結果も出ています。(※参照:徳島新聞

イベント民泊事例の紹介

イベント民泊は、地方創生のためだけのものではなく、東京や大阪などの都市部でも活用できます。そこで本章では、徳島県徳島市での阿波踊り、先日のラグビーワールドカップ2019、来年の東京五輪での活用例を3つ紹介させていただきます。

事例1: 「ラグビーワールドカップ2019」でのイベント民泊

Airbnbは、9月20日〜11月2日に日本で開催されたラグビーワールドカップ2019の開催期間中、12の開催地のうち5地域(大分県、釜石市、熊本県、神戸市、東大阪市)で「イベント民泊」を行い、特にラグビー人気の高いイングランド、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、カナダ、アイルランドなどの大会参加国からの宿泊需要に対して宿泊施設の供給をサポートし、ニュースで話題にもなりました。

その結果、開催地では宿泊者数が同じく前年比約110%増の37万人となり、ホストの収益も前年同期比108%増だったと発表されました。

事例2: 徳島県徳島市「阿波踊り」でのイベント民泊

株式会社パソナは徳島県徳島市から「イベント民泊実施業務」を受託し、毎年開催される約400年ほど前から続く日本伝統芸能の1つ「阿波踊り」の開催期間である2017年8月11日〜8月16日に徳島では初めてのイベント民泊を実施しました。

遠藤彰良市長はイベント後の記者会見で、「イベント民泊で(用意された31軒のうち)市内26軒に延べ275人(実数122人)が宿泊した。来年度から民泊に関する法律が変わるが、市としてできることを検討していきたい」と発表しました。(※参照:徳島新聞

事例3: 「東京五輪」でのイベント民泊

Airbnbは、2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向けて、「イベント民泊」として宿泊施設を確保することを発表しました。

また、宿泊施設の他に、アスリートと連携して観光客向けの競技体験プログラムも実施するそうです。2020年の夏にAirbnbのサイトから受けられる体験プログラムでは参加者にアスリートが直接パフォーマンスを見せたり、簡単な指導を行ったりする予定です。観光客に特別な「体験」を提供する他、指導するアスリートの収入源とし、生活を支える狙いもあるとのこと。

イベント民泊が行われる地域では、サービスの登録方法や、観光客へのおもてなし方法などを教える勉強会を自治体と共同で開き、受け入れ先となる家庭の支援も行われる予定です。

関連ページ:
民泊と東京オリンピックの影響について

さいごに

本記事では、「イベント民泊とは何か」ということをはじめ、その実施方法やメリット、事例紹介を行いました。イベント民泊は、旅館業法の営業許可を受けることなく民泊を運営できたり、地方だけではなく都市部でも実施できたり、民泊に対してのハードルを下げられるものになっていくとも考えられます。もし、お住まいの地域で何か大きなイベントが開催される際は、イベント民泊が実施可能になるか、自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

株式会社プレイズは、住宅宿泊事業管理業者として豊富な管理実績を保有しております。これから民泊を始めたいけれど、何から始めたらいいかわからないと言う場合には、お気軽にご相談ください。