民泊新法の罰則を理解しよう!! 重要ケース12件を紹介

民泊新法
民泊新法の罰則を理解しよう!! 重要ケース12件を紹介

目次

民泊の運営業務において最も重要なのは、民泊新法(住宅宿泊事業法)を遵守した適切な運営を行うことです。皆さんは民泊新法の罰則をご存知でしょうか。民泊新法について調べると、運営方法について記事は出てきますが、法律の罰則について詳しく記載されている記事は少数です。そこで本記事では、民泊新法の罰則と事例について説明いたします。

民泊新法の罰則について

2018年6月15日に民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されました。条件は大幅に緩和され、民泊運営のしやすさが格段に上がりました。その一方で年間営業日数の制限など新しいルールも追加され、罰則規定も多く盛り込まれました。民泊運営しやすくなりましたが、新しく追加されたルールを守らないと罰則が適用されます。

以下では、民泊新法の定める罰則とその事例について説明いたします。

100万円もしくは6ヶ月以下の罰則が適用されるケース

事例1: 届出項目に虚偽を記載し、届出

住宅宿泊事業を営もうとする者は、住宅宿泊事業届出書に必要事項を記入の上、必要な添付書類と合わせて、住宅の所在地を管轄する都道府県知事等に届け出る必要があるが、その内容に虚偽の記載があった。

届け出事項は、20の記載項目がありますが、その一つにでも虚偽の記載があった場合、「100万円もしくは6ヶ月以下の罰則」が適用されます。下記に詳しく記載いたしますが、虚偽の認識がなくとも、違反とみなされてしまうと罰則が適用されるので、ご注意ください。

事例2: 委託して民泊運営を行うのに、委託業者を記載せずに届出をした

民泊業務を委託する場合、「住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、登録年月日、登録番号、管理受託契約の内容」を記載する必要があります。委託するのにも関わらず、届け出書にその旨を記載しないで届出を行うと、違反とみなされ、「100万円もしくは6ヶ月以下の罰則」が適用されます。委託して民泊運営を行う場合は、必ず委託する旨を記載し、届出をするようにしてください。

事例3: 届出者が賃貸人・転借人にも関わらず、賃貸人の承諾を得ずに届出をした

届出者が賃借人及び転借人の場合は、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業を目的とした賃借物及び転借物の転貸を承諾していないのに関わらず、承諾している旨を記載し、届け出を行うと、違反とみなされ、「100万円もしくは6ヶ月以下の罰則」が適用されます。また、賃借人の親族が賃貸人である場合でも、上記の違反は適用されます。

事例4: 届け出をせずに、民泊を行う

今年の住宅宿泊事業を営んでいるが、住宅宿泊事業届出書を住宅の所在地を管轄する都道府県知事等に届け出ていないケースです。

上記のように、届け出をそもそもしていない方は、民泊新法(住宅宿泊事業法)の罰則ではなく、旅館業法における「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれの併科」の罰則が適用されることになります。

届出をしていないと、民泊新法(住宅宿泊事業法)の違反にはなりませんが、旅館業法違反になりますので、ご注意ください。

50万円以下の罰金が適用されるケース

事例1: 住宅宿泊管理業の登録がされていない者に管理業務を委託する

管理業務を委託する場合は、「住宅宿泊管理業」の登録を受けた者に管理業務を委託しなければなりません。その業者が「住宅宿泊管理業」の登録がされていない場合は、「50万円以下の罰金」が発生いたします。また、一度登録がされている者であっても、5年ごとに登録を更新しなければならないので、注意が必要になります。

ほとんどの住宅宿泊管理業者はコーポレートサイトに住宅宿泊管理業者としての許可番号を掲載しているので、それを確認するようにしましょう。補足ですが、弊社では以下のページに掲載しております。大体「国土交通大臣(01)第xxxxx号」と記載があるはずです。

参考ページ:
株式会社プレイズ 会社概要

事例2: 届出住宅の居室が5つ以上あるのに、管理業務を委託していない

居室の数が多い(5つ以上)住宅を貸し出す場合は、管理業務を委託しなければなりません。居室が多いのにも関わらず、管理業務を委託していない者は、違反しているとみなされ、「50万円以下の罰金」が発生いたします居室とは、集会、娯楽、居住のために使用される部屋のことであり、トイレ、玄関等は居室とはみなされません。建築基準法で定める採光や通風等の要件を満たさないものは居室ではなく、納戸になります。寝室、リビング、子供部屋等で5つ以上居室がある場合は、管理業務を委託する必要が出てくるため、ご注意ください。

事例3: 不在になる時間が多いのに、管理業務を委託していない

管理者が不在になる時間が多い場合は、「住宅宿泊管理業」の登録を受けた者に管理業務を委託しなければなりません。不在の時間が多いにも関わらず、管理業務を委託していない者は、違反しているとみなされ、「50万円以下の罰金」が発生します。

また、不在と認定される定義になりますが、行政機関の公式見解では「日常生活を営む上で通常行われる行為に要する時間の範囲内の不在は除く」と記載があります。住宅宿泊事業法施行要項(ガイドライン)には、具体的な記載があり、「原則1時間、最大でも2時間程度」になります。

基本的には家主居住型で民泊運営をするホストは少ないはずです。これから家主不在型の民泊を運営されるホストの方は事前に以下の記事を参考にしてください。

参考ページ:
家主不在型!? 家主居住型!? 民泊新法が定める2つの民泊の違いとは!?

事例4: 「住宅宿泊仲介業」の登録を受けていない者に、宿泊サービス提供契約の締結の代理を委託する

委託業者に委託しなくても、管理者自らが「住宅宿泊管理業」の登録を受けている場合は、違反になりません。ただ、宿泊サービス提供契約の締結の代理または媒介を他人に委託される場合は、「住宅宿泊仲介業」の登録が必要になります。「住宅宿泊管理業」と「住宅宿泊仲介業」は異なる届出になります。混同しないように注意が必要です。また、「住宅宿泊仲介業」は「住宅宿泊仲介業」の登録を受けていなくても、「旅行業者」の登録であれば委託することは可能です。

参考ページ:
民泊新法が定める「住宅宿泊仲介業者」とは!? 業務内容や申請方法について解説します!!

30万円以下の罰金が適用されるケース

事例1: 届出後に引っ越し、その変更の届出をしていない

「変更の届出をしていない者又は虚偽の変更の届出をした者」は、「30万円以下の罰金」が適用されます。「住宅宿泊事業者」の登録をした後に、変更の届出をせずに引っ越した先で「住宅宿泊事業者」の運営を行うことができません。もし引っ越した後も「住宅宿泊事業者」としての業務を継続したい場合は、変更の届け出をしないと規約違反しているとみなされるので、注意してください。

事例2: 宿泊者名簿を2年間保存した後に、焼却処分した

宿泊者名簿は3年間保存し、都道府県知事から要求があったときは、提出する必要があります。そのため、宿泊者名簿を2年間しか保存していない場合は、罰則の対象となります。また、記載項目は、「宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日」「宿泊者が国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号」になります。上記の項目が記載された宿泊者名簿だと、情報不備を指摘される可能性もあるので、ご注意ください。

事例3: 都道府県知事に毎年1回の定期報告を欠かさずに行っている

定期報告は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の15日までに行う必要があります。前2ヶ月の内訳を報告します。報告する主なデータは「届出住宅に人を宿泊させた日数」「宿泊者数」「延べ宿泊者数」「国籍別の宿泊者数の内訳」になります。この定期報告を怠ると、罰則が適用されます。適当なデータをあげて報告してしまった場合も、罰則が適用されますので、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者は厳正なデータ管理を行いましょう。

事例4: 行政機関職員が立入検査を要求してきたので、その要求を無視した

「立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者」には、罰則が適用されます。「住宅宿泊事業」の適正な運営が行われておらず、適正な運営の確保するために必要があると都道府県知事が認めた時には、職員が届出住宅に立ち入り、設備や書類等を検査することができます。その検査を妨害する行為をしてしまうと罰則行為にあたり、罰金が課せられます。

さいごに

以上、民泊新法(住宅宿泊事業法)の罰則を事例に基づいて紹介してきました。いかがでしたでしょうか。民泊の運営業務において最も重要なのは、民泊新法(住宅宿泊事業法)を遵守した適正な運営を実施することです。民泊新法の罰則について学び、健全な運営を心がけていくことこそが民泊サービスの成功の鍵といえそうです。

プレイズでは、民泊新法対応のサポートも行なっており、これから民泊を始めたいという事業者様のサポートを行なっております。民泊運営をしたいけど何から始めたらいいのかわからないという事業者様はいつでもお気軽にお問い合わせくださいませ。