
民泊の運営業務において最も重要な業務の1つがチェックイン業務です。皆さんはチェックイン業務を適切に実施できていますでしょうか。Googleで「民泊 チェックイン」と検索してもチェックインシステムのページしかヒットしないですから、民泊のチェックイン業務を適切に理解できるコンテンツが少ない気がします。そこで本記事では、民泊のチェックイン業務の概要とチェックイン業務を適切に実行するコツについて説明いたします。
チェックイン業務は超重要!!
民泊でのチェックイン業務はとても重要です。民泊新法でも義務付けられていますし、またゲストのレビューにも直接影響します。
民泊新法で本人確認が義務付けられている
2018年6月に施行された民泊新法(住宅宿泊事業法)では、民泊の利用者の宿泊者名簿を作成することが義務付けられています。
住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。(住宅宿泊事業法 第8条 第1項)
また、施行規則では以下のように定められており、宿泊者が外国人である場合には国籍や旅券番号も控えておく旨記載があります。
法第八条第一項の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項は、宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日のほか、宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号とする。(住宅宿泊事業法施行規則 第7条第3項)
本人確認時に確認すべき項目
本人確認時に確認すべき項目は次の3点です。
- 宿泊者の住所
- 宿泊者の氏名
- 宿泊者の職業
宿泊者名簿は3年間保存し、都道府県知事から開示の要請があった場合は提出の義務があります。宿泊者が外国籍の場合は、上記の3つに加えて国籍と旅券番号を確認しなければいけません。本人確認せずに宿泊を許可してしまうと30万円以下の罰金が科せられます。また、本人確認は原則対面で顔を合わせて行いましょう。オンラインでしか確認できない場合は宿泊者の顔写真も必要です。本人確認時は宿泊者が全員揃っているのを確認してから、一人ずつ確認してください。
スムーズなチェックイン業務は好レビューに繋がる!!
民泊を運営するうえで、チェックインの円滑さはレビューに直結しますので、非常に重要な業務です。民泊を利用するゲストは普段訪れたことのない土地に到着したらすぐに一旦チェックインして体を休めたいはずです。また、迎え入れるホストとしてもゲストに安心して問題なくチェックインするために神経を研ぎ澄ますはずです。ここで、トラブルが起きてしまうとゲストからのレビューは一気に下がります。
本人確認を行う際の注意点
本人確認を行う際の注意点は次の3点です。
- 正確な情報をもらう
- 原則対面で行う
- 無人の場合は対面と同等の効果を持つ体制を整える
本人確認は主に防犯と衛生面のために行わなければいけません。宿泊者の確認を行うことで、未然に犯罪を防ぐ効果があります。また、食中毒や感染症が発生した場合、感染経路を把握するために使用されます。
正確な情報をもらう必要がある
本人確認の際は正確な情報を記載してもらわなければいけません。正しい情報を記載し、要請があった場合には個人情報を提出する必要があります。警察や都道府県知事から要請されたときに正確な情報を保管していないと罰を受ける場合もあるので注意が必要です。本人確認は民泊のオーナーに義務づけられており、正確な情報をもらうための措置を講じる必要があります。顔写真を利用して正しい情報を記載してもらうように徹底しましょう。
原則対面で行う必要がある
チェックイン時の本人確認は原則対面で行う必要があります。対面で宿泊者の顔を確認し、住所や氏名と違いがないか確認しましょう。宿泊者が民泊施設に到着したらフロントに誘導し、事前に入力してもらった情報と照らし合わせます。宿泊者全員の本人確認を行わなければならないので、少し待ってもらうようにしてください。外国籍の宿泊者の場合は事前に英訳の文章などを用意して、スムーズに確認できるようにしましょう。
無人で行う場合は対対面と同等の効果を持つチェックイン体制が必要
民泊によっては管理人がいない無人の施設もありますよね。本人確認は原則対面で行う必要がありますが、対面と同等の効果を持つICTの体制があれば無人でも本人確認が可能です。無人の場合は次の2点を満たさなければいけません。
- 鮮明な宿泊者の顔、旅券の画像
- 宿泊者の届出住所などの近隣からの発信
無人で本人確認を行う場合は、チェックインシステムを導入するとスムーズです。
チェックイン業務のフローを理解しよう!!
民泊のチェックイン方法はホテルのチェックインとは異なります。ホテルであれば予約サイトから予約して個人情報の照合までの過程はだいたいどこに行っても同じ方法が求められますが、民泊の場合にはやや異なります。民泊におけるチェックイン業務には、具体的にどのような業務が発生するのでしょうか。また各業務でのポイントを以下に整理してみました。
1. ゲストからの宿泊予約
Airbnbなどの民泊予約サイトから宿泊予約を受けます。この予約情報がチェックインシステムに同期されます。
2. ホストからゲストに対して情報入力フォームを提供
ゲストの予約を受けて、ホストがゲストに対してゲストの個人情報の入力フォームを送付し、情報入力を依頼します。このゲストの情報がのちにホストが必要とする民泊宿泊者名簿の元情報となります。ゲストからするとこの情報入力作業が非常に面倒タスクになるので、ここで離脱するゲストも中には存在します。そのため、ホスト側でゲストが入力しやすいような環境を整える必要があります。
3. ゲスト入力情報から専用QRコードが生成
ゲストが事前に入力したデータを元にチェックインシステムがQRコードを生成し、ゲストに共有されます。このQRコードデータはゲストがチェックインする際に用いられることになります。このQRコードはチェックイン時にゲストに利用してもらうものとなりますので、チェックインの時にすぐに取り出せるように管理するように共有しておくことをオススメしましょう。
4. ゲストが物件に到着しチェックインの実施
ゲストが物件に到着し、チェックインを実施します。この時に事前に入力していたゲスト個人情報データのQRコードをチェックイン専用端末で読み取り、承認を受けます。今ほとんどの民泊予約からチェックインまでの流れは上記のような流れを踏むことになります。
チェックイン業務で気をつけること
実際にチェックイン業務を行う中での注意点について説明します。下記の内容を適切に実施し、宿泊レビューの向上を目指しましょう。
1. 個人情報管理の徹底
チェックイン業務で民泊ホストが扱う個人情報は氏名や電話番号だけでなく、海外旅行者の場合パスポート情報なども管理する必要があります。管理代行会社に依頼している場合は法人としてある程度のガバナンスが整っているはずです。しかし、個人ホストとして業務を行う場合には、この管理が杜撰になりがちです。民泊は、個人で事業ができる一方でかなりセキュリティ対策が求められるため注意しましょう。
個人でホストをしている場合には、最低でも以下は徹底しましょう。
・ゲストの情報をローカル保存しない
・端末、ファイル、ツールのパスワード設定
・印刷したら必ずシュレッダーにかける
2. チェックイン方法を事前にゲストに伝える
ホテルのチェックインオペレーションの場合はだいたいが画一的なため、聞かなくても想像できます。しかし、先述したように民泊のチェックインオペレーションはそれとは異なります。ゲストから予約を受けた段階で必ず自分、もしくは自社がどのようなチェックインオペレーションを採用しているかを伝えるようにしましょう。到着時の対応フローのようなものを事前にPDFで用意しておくのもオススメです。
3. 中国はGoogleが使えないためGoogle Drive以外でファイル共有
民泊ゲストの大半はアジア、特に中国から訪れることが多いです。世界人口の80%以上はGoogleで検索を行いますが、中国では百度などの検索エンジンが利用されます。また国家レベルでGoogle利用のIP制限がかけられているため、VPNを用意しない限り接続できません。
ほとんどの日本人や日本企業はGoogle検索だけでなく、ファイル共有ならGoogle Driveを採用しているはずです。チェックイン情報などをファイルで共有しようとする場合には、Googleアカウントで利用できるツールを極力使わないようにしましょう。
おすすめ民泊チェックインシステム3選
スムーズにチェックインのための、おすすめ民泊チェックインシステムを3つ紹介します。
- エアサポタッチ
- ABCチェックイン
- minpakuIN
それぞれの特徴やメリットを紹介するので、チェックインシステムをお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
スマートチェックインforクラウドスマートロック
スマートチェックインforクラウドスマートロックは旅館業法、特区民泊、民泊新法にも対応するチェックインシステムです。言語は日本語からロシア語など12か国に対応しているので、世界からの宿泊者を受け入れ可能です。チェックインは次のような流れで行われます。
- メールからの事前チェックイン
- 施設に到着次第個人情報を入力
- パスポートを撮影
- 本人確認のための顔写真を撮影
- 契約書やハウスルールへの同意
チェックアウトも画面上で手続きできるので、フロントに人が立つ必要はありません。万が一の場合はコールセンターで問い合わせも可能なので安心です。利用プランは50,000円から利用できるなどコストがかからないことも大きなメリットです。工事は約1ヶ月を予定しており、期間が短いのですぐに導入できます。
ABCチェックイン(300字)
ABCチェックインは旅館業法、特区民泊、民泊新法にも対応するチェックインシステムです。導入費用が0円、システム利用料が2,980円からと業界最安値を誇ります。
主なシステムは次の5点です。
- パスポート情報のスキャン
- 宿泊者名簿の自動作成
- 本人確認
- ハウスルールの紹介
- 事前・現地決済
「RemoteLock」とチェックインシステムを連携させることで無人運営を実現できます。宿泊者名簿がタブレットで入力可能なので簡単に保存できることも大きな魅力です。無料相談もできるので、一度話を聞いてみたいという方や比較したいという方にもおすすめです。
minpakuIN
minpakuINは旅館業法、特区民泊、民泊新法にも対応するチェックインシステムです。日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語でのやり取りが可能で、24時間本人確認ができます。スマートロックの「RemoteLock」とも対応しているので無人での鍵の受け渡しも可能です。
北海道から沖縄まで全国で設置実績があります。決済システムもあるので、チェックインからチェックアウトまでを担当できます。minpakuINから支給されたタブレットでパスポートを撮影し映像で本人確認を行います。月額2,480円から導入できるので一度導入して試したいという方にもおすすめです。
さいごに
本記事では、民泊運営におけるチェックイン業務について記載しました。チェックイン業務はゲストの宿泊レビューに直結するため、慎重に業務を行うようにしましょう。
プレイズでは、民泊管理代行会社として数多くの民泊物件の管理実績を保有しています。本記事で紹介したようなチェックイン業務に関しても多くの運用実績を保有しておりますので、民泊管理業務でお困りの際にはお気軽に弊社までお声がけください。
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