Airbnbで副業民泊する前に知るべきこと

Airbnb
Airbnbで副業民泊する前に知るべきこと

目次

Airbnbを活用して民泊を始める人が増えています。副業として気軽に始めることができ、上手くいけば安定した副収入を得られるからです。ただし、民泊は普通のマンション経営とは異なる部分がたくさんあります。今回は、これからAirbnbで副業民泊を始める際に知っておきたいことについて、いくつか解説していきます。

賃貸物件を転貸して行う民泊

1. 賃貸物件を転貸して民泊を始める人が多い

不動産投資を始めたいけれども、マンションを購入するお金がなく、ローンを組むのも躊躇するという人は少なくありません。そういう人にとって、Airbnbを用いて賃貸物件を民泊として利用して副収入を得る方法はとても魅力的なものとなるでしょう。実際に賃貸物件を転貸して民泊を始めている人はたくさんいます。

賃貸物件であれば、月々の家賃を支払うだけで利用することが可能です。たとえば、5万円の家賃の物件を借りて、民泊のサービスをそこで提供して家賃以上の売上を実現することができれば、収支はプラスになります。

2. Airbnbによって民泊の利用者を集められる

民泊として使う物件を用意することができれば、Airbnbに登録をすることで、すぐに民泊利用者を集めることができます。Airbnbは、個人の自宅を貸し借りできるサイトであり、物件のオーナーが登録することによって、利用者を世界中から集めることが可能です。これによって、たとえば外国人観光客にアピールして民泊を利用してもらうことができます。

3. すべての賃貸物件で民泊できるわけではない

賃貸物件をさらに誰かに貸し与える行為を転貸、あるいは又貸しといいます。その物件のオーナーが転貸を認めているのであれば、賃貸物件を民泊として利用することは可能です。逆にオーナーが拒否すれば、転貸することはできません。また、そもそも最初に賃貸借契約を結ぶ際に契約書のなかに転貸禁止の文章が含まれていることは多いです。この場合は、原則として転貸禁止であることを理解しましょう。

また、過去には転貸禁止というルールを無視して、無断で民泊営業をしていたケースがたくさんあります。このことがオーナーに知られてしまうと契約を強制解除される可能性があります。そうなれば、大きな損害が生じてしまうでしょう。すでに民泊の予約をたくさん受けていたならば、その人達への賠償金を支払うケースもあります。無断で民泊の経営をしていたために大きなリスクが生じることがあるため注意しましょう。

無断転貸は簡単にバレてしまう可能性が高いです。そもそも、民泊物件には不特定多数の人が出入りすることになります。外国人のゲストが訪れることも少なくありません。そうなると、別の部屋に住んでいる人は怪しむでしょう。すぐにオーナーや管理会社のところにクレームが寄せられて、無断で民泊営業していたことが発覚します。事前にしっかりと契約書を確認して、オーナーの許可を得ることが大切です。

また、契約書だけではなくマンションの管理規約をチェックすることも大切です。管理規約に民泊禁止と明記されている物件はあります。住宅用以外の用途として使ってはいけないと記されていることもあります。この場合も、民泊を禁止していると判断できるでしょう。

参考ページ:
違法民泊は危険!! 違法民泊の見分け方について徹底解説!!

4. オーナーと交渉することが大切

転貸の許可を出してくれるかどうかは、すべてはオーナーの気持ちしだいです。基本的に多くのオーナーは転貸許可を出さないと考えましょう。転貸をさせることによるリスクが大きいからです。ただし、民泊に理解を示して、気軽に許可を出してくれるオーナーもいます。

たとえば、家賃や敷金をアップしてもよいという条件で許可をもらえることがあります。この場合はオーナーにとってもメリットがあるため、転貸に応じてくれる可能性が高いです。

また、最近は民泊許可物件を専門的に扱っている不動産サイトが登場しています。こちらのサイトに掲載されている物件は、すでにオーナーが民泊経営を許可しているのが特徴です。そのため、オーナーに交渉をして許可をもらう手間を省くことができるメリットがあります。民泊のために賃貸物件を探すところから始める人は、こうしたサイトを利用してみるとよいでしょう。

あるいは、事業用物件に注目するという方法があります。たとえば、普通のマンションであっても、事務所用などで利用することを認めている物件は多いです。そのような物件のオーナーに交渉すると、民泊運営を許可してくれるかもしれません。ただし、普通の物件よりも家賃は高く設定されていることが多いです。

不動産仲介業者に相談して、民泊を認めてくれる物件やオーナーを探すという方法もあります。親身になって利用者の希望に合った物件を探してくれる業者であれば、民泊営業が可能な物件を見つけてくれるかもしれません。

補足) オーナーとの交渉ポイント

弊社の民泊支援経験からオーナーと交渉する際には以下を抑えておくと良いかもしれません。

1:賃料交渉 
賃料は相場の1.2倍を提示するのがよいでしょう。

2:ゴミ収集場所
ごみ収集は近隣の集積場に置くのではなく回収するようにしましょう。

3:火災保険の加入
オーナーは万が一のケースを危惧しています。事前に火災保険には加入するようにしましょう。

4:借主負担でのリノベーション
トイレの増設や壁紙の変更などにより、以前の状態よりも物件の内装クオリティが高まりますので、オーナーとしては喜ばしいことです。リノベーションを提案してみるのもありかもしれません。

5:合法での運営
民泊事業者の中には、無許可で民泊を運営する事業者が少なからず存在します。無許可で民泊を行うと違法民泊とみなされるため、必ずルールを遵守した上で民泊運営を行いましょう。

知っておきたい法令

1. 民泊新法が制定された

民泊という新しいビジネススタイルが登場して、日本でも行う人が増えてきたため、法制定の必要性が生じて民泊新法が制定されました。平成30年の6月15日から民泊新法が施行して、民泊に関する新しいルールが示されたのです。

民泊新法は住宅宿泊事業法が正式名称です。民泊を始めるには各都道府県への届出が義務付けられています。住居専用地域による営業が可能でして、180日までの年間提供日数の制限が設けられているのが特徴です。全国各地で実施することが可能です。

注意点としては、それぞれの自治体が独自の条例を定めて民泊を規制することができる点です。たとえば、営業日数の制限については、180日は上限であり、自治体によってはもっと短い日数しか営業を認めていないケースもあります。住居専用地域での営業も条例によって制限されていることもあるのです。

物件の床面積は3.3㎡/人を最低限確保するべきと記されています。衛生措置として、換気や除湿、清潔などの措置、定期的な清掃が求められます。ほかにも、安全確保の措置義務や消防用設備などの設置、近隣住民とのトラブル防止措置などがあり、ルールをきちんと守って民泊をしなければいけません。

参考ページ:
混乱しやすい合法民泊3種類の違いを解説します
民泊の180日運営ルールと効果的な運用方法について

2. 民法612条

民泊に関連する法律として民法612条があります。こちらには下記のような条項が含まれています。

・民法612条1項「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」

・民法612条2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。」

民泊は転貸に該当するかどうかが議論となることが多いです。民泊をさせたくないオーナーとしては、民泊をしている事実が見つかったときには、民法612条を根拠として契約解除を求めるケースがあります。

ただし、民泊は民法でいう転貸には当たらないと判断される可能性もあります。民泊は基本的に短期間だけ部屋を貸し与える行為であり、転貸したとはいえないとも考えられるからです。

それでも、オーナーに無断で民泊経営を始めるのは避けたほうがよいでしょう。たとえ、契約書に民泊禁止などの文章が含まれていなかったとしても、後で民法612条を根拠として無断民泊によって退去を求められるかもしれないです。それを拒否すれば、最終的には裁判で決着をつけることになり、多くのお金と時間がかかってしまいます。

3. 消防法

民泊を始めるならば、消防法をしっかりと守ることが求められます。たとえば、消防局では消防法に違反している民泊施設の公表を行っています。厳しく民泊施設の監視をしていて、消防法の規定を守った環境を整えることが求められているのです。ただし、家主居住型は消防法の緩和がありますので、おさえておきましょう。

たとえば、消防法では、消防用設備などの設置が義務づけられています。自動火災報知設備やスプリンクラー設備、屋内消火栓設備といったものです。これらが設置されていないと、万が一火災が発生したときには大きな被害が発生してしまうでしょう。また、賃貸物件を利用する場合でも、建物がきちんと消防法を守った状態になっているのかチェックすることは大切です。普通のアパートやマンションであっても、消防法を違反している建物はたくさんあるのが現状だからです。賃貸物件だからといって、絶対に消防法を守っていて適切な環境が整っていると安心してはいけません。

民泊新法においては、消防法令に適合していることを示す通知書を提出する義務はありません。事前に消防局の立入検査を実施する必要もないのです。そのため、営業した後で消防局から検査されて、消防法に違反していることが判明したというケースは少なくありません。民泊ではさまざまな人達が宿泊していきます。そのなかには、マナーの悪い人も存在するでしょう。たばこの不始末によって、いつ火災が起きてしまうかわかりません。しっかりと消防法を守った環境を整えておきましょう。

消防庁は民泊経営に関して消防法令上の取り扱いがどうなっているのかを説明するリーフレットを作成しています。消防用設備の設置や注意喚起などのリーフレットもあり、さらには関係資料をたくさん公開しています。それらをチェックすることで、消防法において守るべきことを確認できるでしょう。補足ですが、延床面積が1000㎡の物件は建築基準の問題でほとんど消防法クリアしている場合が多いので消防法への対応コストは下がります。

参考ページ:
民泊運営のために保健所の事前確認は何を行うのか!?

4. 所得税法

民泊によって得られた利益はきちんと申告しなければいけません。確定申告することで、正確な所得を伝えて、そこから所得税や住民税などが決まります。

所得税法において、「不動産の貸付けによる所得」は不動産所得として区分されることになっています。ただし、民泊に関しては、一般的な賃貸サービスとは異なるものと考えられます。民泊に利用できる家屋は限定されていて、宿泊日数の制限も受けているからです。

そのため、国税庁は民泊が所得税法においてどのように扱われるのか公表しています。それによると、民泊によって得られる所得はあくまでも雑所得に区分されます。宿泊料については、消費税の課税対象となるのですが、課税売上高が1千万円以下の場合には、免税事業者となるため、消費税の申告や納税の義務はありません。

5. 民泊条例

それぞれの自治体ごとに民泊の経営を規制する条例が制定されていることがあります。民泊新法によって民泊に関するルールが制定されたのですが、それぞれの地域ごとに事情が異なるため、個別に自治体の事情に合わせたルールとして条例が制定できるようになっているのです。

たとえば、民泊は住居専用地域でも営業できるのですが、それでは観光客が住宅街にたくさん押し寄せるといったケースが考えられます。そのような事態を避けるために自治体が独自の条例を定めていて、それを守る必要があるため注意しましょう。

参考ページ:
民泊条例 東京都23区内で民泊をするなら要チェックルール

さいごに

Airbnbを用いて民泊を始めると副業として収入を得ることができます。ただし、転貸する際には注意するべき点がいくつかあり、民泊を規制する法律もたくさん存在することは覚えておきましょう。きちんとルールを守って民泊を始めるようにしましょう。

プレイズでは、豊富な民泊開発・管理実績から平素より数多くの民泊事業者様をご支援してまいりました。これから民泊を開業する上で疑問点がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。