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本記事では、民泊運用の年間180日ルールと180日の中で効果的な民泊運用をするために民泊オーナーが心がけるべきことについて説明いたします。
民泊運営の年間180日ルールについて
2018年6月15日に民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されました。民泊新法によると、民泊(住宅宿泊)事業の運用は年間180日と決められています。
この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。(e-Gov法令検索 「住宅宿泊事業法」の条文から引用リンク)
これから民泊を開業する場合には、年間180日の中での運用を前提として営業する必要があります。実際に弊社にお問い合わせいただく民泊オーナー様も180日ルールの中で稼働率を高めるためにどうするべきかというご相談が多くあります。
なぜ180日になったのか?
2018年6月15日に施行した民泊新法ですが、この法律が制定されるよりも以前から、民泊事業が普及することによるホテル・旅館業需要低下が懸念され、既存の旅館業を営む事業者から民泊に対する批判的な意見が少なからずありました。
しかし、民泊事業自体は、近年の訪日外国人などの増加する外需に対するホテル・旅館以外の宿泊施設として大変魅力的であるため、既存事業を阻害しない範囲(365日よりは少なく、しかしある程度の収益を見込める限界点)で180日運営ルールが採用されました。
180日の数え方について
年間365日のうち、民泊宿泊の行われる180日はどのように計測されるのでしょうか。この運用日数計測について気になられる方は大変多いのではないでしょうか。以下にてポイントを説明します。
1. 180日のカウント対象期間
180日の数え方は、毎年4月1日の正午から、翌年4月1日正午までの1年間で実際に宿泊された日数が該当します。毎年1月1日から翌年1月1日ではないことに注意しましょう。
2. 届出住宅ごとに宿泊日数をカウント
180日カウントは届出住宅ごとに算出されますので、住宅宿泊事業者ごとに算出されているわけではないことにご注意ください。
また、1年間で当該住宅の住宅宿泊事業者が変更となった場合には、民泊宿泊日数はストックされます。例えば、民泊物件AをオーナーAが年間140日間運用していて、別のオーナーBが民泊物件Aの「住宅宿泊事業者」として変更された場合には、民泊物件Aの当該年度の運用日数はすでに140日のため、オーナーBは当該年度で残り40日間しか運用できないことを意味しています。
3. 180日を超えたり虚偽の報告をすると違反
報告については、各民泊オーナー(住宅宿泊事業者)は宿泊者名簿を作成し、この内容を観光庁に報告することになっています。年間180日以上の運営をした場合には、民泊新法違反として、「定期報告をしていない又は虚偽の報告をした者」として「30万円以下の罰金」の対象となります。最悪の場合、「虚偽の届出をした者」として「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれの併科」のように厳重な罰則の対象となることも大いにあり得ますので気をつけましょう。
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違法民泊は危険!! 違法民泊の見分け方について徹底解説!!
180日ルールに違反したり虚偽の報告をするとどうなる?
年間180日以上の運営をした場合には、旅館業法違反となり6か月以上の懲役もしくは3万円以下の罰金の対象となります。民泊ではなく無許可で旅館を営んだとみなされ、罰則が科されてしまうのです。
また、都道府県知事への定期報告時に虚偽の宿泊日数を報告した場合、民泊新法により30万円以下の罰金が適用される可能性があります。自治体によっては180日以下の場所もあるので、民泊を運営する前に市町村に確認しておきましょう。特区民泊の地域の場合は365日の運営が許可されているので、運営する場所が特区なのかどうかも確認することが必要です。
180日ルールに抜け道はある?効果的な民泊運用をするための対策
年間180日運用ルールの何が問題なのでしょうか?
年間180日しか民泊運営ができないということは、それだけ稼働率が下がることを意味します。365日の中で180日運営したら、残りの185日間は、別の方法で売上をあげなければなりません。新法民泊以外の方法で180日ルールを解決する方法を以下に記載します。
1. 特区民泊としての運用
新法民泊では180日のみの運用しかできないですが、特区民泊として民泊を行うことで年間365日の民泊運用が可能となります。東京都においては大田区にて特区民泊の運用が認められています。新法民泊よりも申請条件がやや煩雑なのがネックですが、計画次第で高稼働が見込めますので検討するのはありかと思います。
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2. 旅館業での運用
民泊(住宅宿泊)事業ではなく、ホテル・旅館・簡易宿所として運用することも可能です。これらのような旅館業の枠組みで申請することで年間365日の運用が可能となります。民泊とは異なり、申請の際には民泊物件の用途地域の問題などハードルは高いですが、オススメです。弊社においても、旅館業の申請をご支援させていただいております。
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3. マンスリーマンションでの運用
マンスリーマンションとしての運用もオススメです。一旦、「宿泊」という枠組みから離れて、利用者と物件の賃貸借契約を締結し、物件をマンスリーマンションとして貸す出すこともオススメです。この場合ですと180日の民泊と、マンスリーマンションとしての貸し出しを併用することで年間365日運営していくという方法です。
また、Airbnbでは180日の宿泊をとると非公開になりますが、マンスリーに関しては、30日以上になるので、非公開後でも予約受付が可能となります。また、180日の宿泊単価を下げ過ぎないように調整しましょう。例えば、基本単価が30000円の物件で、売上が未達成だからと言って、10000円で募集するようなことをしてしまうと180日を安い料金で使い切ってしますので、注意が必要です。マンスリーマンションの貸し出しはすぐに行うことができるので、上記2つの方法よりも即効性は高いと思います。
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さいごに
本記事では、民泊新法における年間180日運用ルールについて、その概要や対策方法について説明しました。これから民泊を行う場合には民泊物件の稼働率が最も重要な指標となりますので、民泊をする地域や条例を考慮した民泊運営を心がけましょう。
プレイズでは、民泊新法の年間180日運用ルール対策として、旅館業による民泊、マンスリーマンションとしての活用を積極的にご支援しております。これから民泊を開業される際には希望されるエリアの条例や過去データに基づいた収益シミュレーションを作成いたします。お困りの場合にはお気軽にお問い合わせくださいませ。
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