民泊ビジネスと不動産賃貸業の違いとは!?

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民泊ビジネスと不動産賃貸業の違いとは!?

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民泊業(住宅宿泊事業)は不動産賃貸業と似たようなものだと考えるべきではないです。違いがいくつも存在していて、異なる対応が求められます。そこで、この2つにどういった違いがあるのか解説したいと思います。民泊によってどのような不動産運用の可能性があるのか、また民泊と宿泊用の建物取得にどんな違いがあるのかも紹介します。これから不動産運用に興味を持っている人は参考にしてください。

不動産賃貸業と民泊業の違い

1. 法律上の扱いが違う

事業者として一番大きな違いは法律上の取り扱いが異なることです。不動産賃貸業は大家業に分類されていて、営業するために行政の許可を得る必要はありません。一方、民泊業は旅館業と住宅宿泊事業法に分類されていて、事前に保健所からの許可を得ないと営業できない点に違いがあります。

民泊は旅館業法によって規制されたものです。どのような物件であっても、原則として営業をするまえに行政から許可を得なければいけません。無許可営業をすれば、それは旅館業法(または、住宅宿泊事業法)違反となって、罰金や懲役刑の対象となります。

民泊の場合は、利用者が短期間だけ宿泊していきます。この場合、不特定多数の人が施設を出入りすることになるため、衛生維持の管理をする責任が事業者側に問われます。公衆衛生を守るために法律による規制が行われるのです。

民泊に長期滞在する人がいる場合はどうなのでしょうか。旅館業法の基準は宿泊期間が1ヶ月未満であることが前提ですが、厳格な基準とはいえないものです。また、1ヶ月以上利用する人がいたとしても、すべての部屋が長期利用者で埋まっているわけではないです。したがって、1ヶ月以上長期滞在する利用者がいたとしても、あくまでも旅館業の範疇にあると判断されます。

民泊の場合は、長期滞在者がいた場合に、その部屋に営業者が定期的に立ち入ることが求められます。この点も、不動産賃貸業との大きな違いといえるでしょう。オーナーが物件の衛生管理をするために積極的になることが求められます。

2. 利用者層が異なる

不動産賃貸業を利用する人は、そこに定住する人です。基本的に不動産は2年契約となることが多く、更新すればもっと長く住み続ける人もいるでしょう。その地域でこれから仕事をするために生活の基盤となる場所を求めてマンションやアパートを探して契約するのです。契約する人のほとんどは日本人になるでしょう。

一方、民泊業を利用するのは主に観光客です。ホテルを利用するよりも費用を節約できることが多いため、需要が高くなっています。日本人だけではなく、訪日外国人が利用するケースが多いです。そのため、外国人への対応も求められるでしょう。アジアや欧米など世界中から宿泊者が集まります。

参考ページ:
民泊とは? 概要・種類・法律・問題点を徹底解説!!

民泊を活用した新たな不動産運用の可能性

1. 民泊投資が注目を集めている

不動産運用の従来のスタイルは、マンションやアパートの部屋を貸し与えて家賃収入を得るというものでした。しかし、これにはさまざまなリスクが存在していて、思うように収益を上げられないという人が多かったです。空室が生じてしまえば、その部屋の家賃収入は0になってしまいます。時期によっては、部屋を借りる人がなかなか現れなくて、空室がずっと続いてしまうこともあるのです。また、住む人がいたとしても家賃を滞納されるリスクもありました。データを見ても、家賃滞納者はそれほど珍しい存在ではありません。

このようにこれまでの不動産投資には、いろいろなデメリットがあるため、新しいスタイルとして民泊投資が注目されています。

2. 民泊投資のメリットについて

民泊投資のメリットの1つは、空き部屋を活用して始められる点です。たとえば、すでにマンションの賃貸経営をしていて、空室を民泊に転用するという方法があります。これによって、空き部屋が生じることによる損失を補うことができるでしょう。

民泊の場合は、原状回復費があまりかからないという点もメリットです。賃貸物件だと部屋を貸してから退去するまでに長い期間があります。その間に部屋が汚されたり壊されたりするケースもあり、原状回復するために多額の費用がかかるのです。しかし、民泊であれば基本的に短期滞在であり、部屋の損傷は少ないため、原状回復費用があまりかかりません。

将来性があるのもメリットの一つです。現在、日本は観光立国を目指していて、外国人観光客を増加させることを目標としています。実際にこの数年の間に外国人観光客の数はかなり増えています。2018年の時点で訪日外国人客数は3,000万人を超えていて、今後は2030年までに6,000万人まで増加させる予定です。したがって、今後、ますます民泊の需要が高まることが予想されます。宿泊施設不足が各都市で顕在化されているため、そこで民泊を経営すれば多くの宿泊者を見込めるのです。

民泊の管理業務は賃貸経営の場合と同じように外注することが可能です。利用者の募集から掃除、ゲストへの対応、消耗品の補充などはすべて業者任せにすることができます。そのため、オーナーとしての管理業務の負担を軽減することが可能です。

普通の賃貸物件とは求められるニーズが異なるのもメリットといえます。賃貸物件の場合は、築年数がとても重要です。古い物件は敬遠されることが多いからです。一方、民泊の場合は立地が重要であり、築年数に関してはそれほど重視されません。内装がキレイになっていれば、多少古い物件だからといって価値はそれほど落ちないのです。民泊を利用する人は、そもそも安く宿泊できることを求めているため、築年数の古い物件でも大きな収益を上げるチャンスがあります。

3. 民泊投資のデメリット

民泊のための物件は立地がどうしても限られてしまいます。それは民泊業を営めるエリアが決まっているからです。また、特区民泊だと営業日数に制限がないのですが、それ以外のエリアでは年間に180日以内という営業日数の制限がある点も注意しましょう。

初期投資をしなければいけないのもデメリットです。部屋で生活できる環境を整えるために、さまざまな設備を導入しなければいけません。家具や家電などはすべてオーナーが用意することになります。

民泊をするために手続きをして許可を得る必要があるのもデメリットです。一般的に物件契約後までの準備期間として以下の作業が想定されます。

契約開始後
家具準備 〜1ヶ月
消防設備 2週間〜1ヶ月
行政手続き 2週間〜3週間

準備するべきことがたくさんあり、実際に営業を開始するまでに時間がかかってしまうでしょう。

近隣住民とのトラブルが生じるリスクもあります。宿泊者にはいろいろなタイプの人がいて、なかにはマナーの悪い人もいます。たとえば、夜中までパーティーをして大騒ぎされれば、騒音で近所迷惑となってしまいます。ゴミの問題もあり、ゲストが勝手にゴミ出しをしてトラブルになるケースもあります。

マンションの一室を利用する場合は、住民との間でトラブルが起きることもあります。不特定多数の人を出入りさせることになるため、セキュリティの問題も生じやすいです。

このようにさまざまなデメリットがあることを考慮して民泊営業をすることが大切です。

民泊・宿泊用の建物の取得について

1. 民泊用の物件の探し方

民泊をスタートするための物件には、いろいろなタイプが存在します。既存の建物を利用するケースもあるのですが、これから新しく物件を取得する人も多いです。その場合、営業可能な物件かどうかを調べなければいけません。たとえば、マンションで始めたいと思っても、その建物の規約によって禁止されているケースがあるからです。賃貸物件を借りる場合でも、転貸することができるのか事前に確認する必要があります。

最終的にはオーナーの判断によります。不特定多数の人が出入りすることでセキュリティなどの問題から民泊利用を敬遠するオーナーは多いです。ただし、許可している物件も探せばたくさんあります。

民泊として利用することが可能な物件を探しているならば、許可物件を紹介しているサービスがあるため便利です。すでにオーナーが許可を出していることの確認が取れている物件の情報を専門的に扱っています。紹介サービスで物件を探すことで、オーナーの許可を得る手間を省くことができます。ただし、これはオーナーから許可を得ているだけであり、物件を入手したあとには行政に個別に手続きをして許可を得る必要があるため注意しましょう。

あるいは、不動産会社に問い合わせてみるのもよいでしょう。不動産会社は幅広い物件情報を取り扱っています。民泊として利用可能な物件情報を持っている可能性があるため、相談してみるとよいです。

参考ページ:
【民泊経営を始める方必見!! 】airbnbスタートアップガイド!!

2. 所有物件と賃貸物件の違い

自分が購入して所有している物件で民泊を始めるメリットは、ローンの内容によっては毎月の支払いが少なくなる点です。また、運営や改装をするのにオーナーの許可を得る必要がないのもメリットです。ただし、物件を購入するとなると高額の初期費用がかかります。ローンで購入することが多いですが、そうなるとローンのお金を回収するまで長期間かかるでしょう。民泊を長くやり続けないとローンを回収できないのがデメリットです。また、所有物件といっても、分譲マンションの場合には管理規約で不動産運用が規制されることもあるため注意しましょう。

賃貸物件で民泊を始める場合は、初期費用を抑えられるのがメリットです。途中で民泊事業から撤退したいときには、すぐに対応できるでしょう。市場や環境の変化にも柔軟に対応しながら営業できるメリットがあります。ただし、賃貸物件で許可をもらうのは大変です。改装したい場合もオーナーの許可を得る必要があります。許可をもらったとしても、家賃に上乗せされることがあるため、利幅を取りづらいのがデメリットです。

このようなメリットとデメリットがあることを考慮して、民泊用の物件の所有形態を選びましょう。

3. 民泊用物件を取得する際の注意点

民泊を取得する際には物件のエリアに注意しましょう。それぞれの自治体が独自に規制を設けていることがあります。事前に自治体のホームページで確認しておきましょう。また、地域によって需要は大きく異なっています。多くの利用者を見込めるエリアを選ぶことが大切です。基本的には交通アクセスがよくて、近場に人気の観光スポットがあるようなエリアは人気が高いです。その地域の家賃相場についても考慮しておきましょう。人気が高くても賃料も高いとなかなか収益を上げにくくなります。

参考ページ:
【徹底比較】東京都内の民泊人気おすすめエリア3選

さいごに

民泊ビジネスと不動産賃貸業は異なるものです。民泊業は旅館業法による規制を受けていて、経営を始める際には許可を得なければいけません。物件を利用する場合にも、オーナーの許可が必要となります。このような違いを理解してから民泊ビジネスをスタートさせましょう。